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浜の小屋

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2012年 03月 06日

何もない春

「○○の春は何もない春です。」
何年か前に、とある有名な歌手が歌って大ヒットした歌詞。
御当地の町役場は”何もない”では、人が引いてしまうと本気で思ったらしい。
なんとなく寂しいがそれも現実だろう。
「何もないけどご飯を食べて行かない?」こんなに嬉しい言葉は無い。
何もないの言葉は、相手を認め気持ちを許す意味合いもある・・・。

俺が暮らす町は誰もが田舎と思う。
そんな田舎町も、街からお客さんを呼んで人も町も元気になろうとしている。
でも何もない町の活性化はそう簡単には行かない。
豊かになりたいたと日本中の町が考える。当たればそれが全国に広まる。
コロンブスの卵を生むニワトリはそんなにいない。

仲間と数年前に行政指導の「グリーン・ツーリズム推進協議会」を立ち上げた。
百聞は一見にと先進地である南信州や安心院へ旅に出た。
これまで手を変え品を変えてやってきた。身近な地旅を企画するが今一歩前に行けない。
コンビニもない町に旅人は行きたくない?それとも力不足か?
旅の価値観は多種多様で年齢や個人で変わる。奥深さと広がりに付いて行けない。
果たしてこの分野に採算ペースが存在するのかと思ったことさえある。
それが仕事や趣味でないから、希望や危機を直接感じない。
それでも、気持ちに後がないので本気で地旅を考える。

人が言うには、地旅のコピーが”何もない”では旅人の募集をしても集まらないらしい。
何年も前から押し通してきた想いなので今更「何もない」は変えることができない。
地旅も止めることができない。漁師の乗りかかった船で航海の途中だから。
それに極少数だが「俺たちの地旅」を後押しする人がいるから。

この春二つの地旅を企画した。
東京からのツアーと福岡からのツアーで、どちらも「なんでもない田舎の春旅」。
田舎道は大勢で歩く所ではない。名所旧跡も団体割引もないしSuicaも通用しない。
だからこそ人が集まればオリジナル・ツアーが成立する。
今回は、拾い物をする旅になるだろう。

by hama-no-koya | 2012-03-06 10:58 | Comments(0)


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