穏やかな春の日 千葉からサーファーがやって来た。
なにもここまでやって来なくても 九十九里浜にも波が立つのに・・・
二人の気持ちは 日本海の波に乗りたいそれだけで。
おもいを叶えてあげたいが凪日和。
高台から海を眺める二人に 過ぎてきた青春を感じる初老の漁師。
遠くを見つめていれば 波は必ずやってくる。
何年が前のテレビドラマ「ビーチ・ボーイズ」を思い出す。
海辺の小屋物語だが 奥の深いドラマだった。
色のあせない海と人が今もこころに残る。
翌日は、人の想いが海に通じたのか小波が立った。
二人をビーチまで見送ることにした。
二人だけの無印の海 小波が尖り折れ打ち寄しては消える。
青い空と海 白い砂浜。
遠くから来た旅人の想いが実現した。
波は小さくても二人には ~ビッグ・サタディ~ 。
幸せを感じる風景に満足する漁師。
漁師の前は旅人だった・・・
旅人が我が家に来るようになったから
旅をしているのと同じ。