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浜の小屋

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2013年 08月 11日

加州丸



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30年前ぐらいに造った船だが今も現役。
船の名前は加州丸。

あの頃、カルフォルニアに憧れていたから夢を船名にした。
歌にもある「夢のカルフォルニア」で ママス&パパスが歌っていた。
今も曲が良いと思うのは ぶれない想いがあるからだろう
なつかしいとは思わない。
進水当時、漁師仲間は船名の意味が分からず 何これ?だったが・・・
今では、すっかり地元に定着した 漁村ではなじみの船。
過ぎて来た 若気の一人話。


海に船を浮かべていると船底にカキや海藻が付着する。
見た目も悪いが 水との抵抗が増し、船の走りが悪く燃費も悪くなる。
年に一度は、船を陸揚げし掃除をして船底塗料を塗り替える。
暑さの中で 毎年メンテナンスの作業をする。
大敷網で使用する船(19トン)は、大きいので造船所のドックに入れるが
加州丸は小さいので自分で港内施設に陸揚げする。

加州丸は、一本釣りと素潜り漁に使う。
昔は、ヒラメも多く釣れたし、サザエもアワビもいっぱい採れた海。
昭和から平成に変わる頃は、水揚げも全盛期だった・・・
今は、ヒラメもアワビも極端に少なくなった。
海洋環境の変化もあるが 人が資源を獲り過ぎたからだろう。
昔は冬の海には潜れなかった ウエットスーツを着れば年中潜れる今。
漁具や漁労機器の進化で より水揚げは増えたが
長い目で見れば 漁師が儲からなくなった。

これからは 憧れで漁師になりたい人には厳しい話。
ロマンで飯が食える時代ではない・・・
カリブの漁師、サンチャゴ老人の話は過去の遠い物語となったが
それでも漁師になりたい人はいる。
日本海にも大きなカジキはいる 昨日も大敷網で獲れた。
マグロも数は減ったが、たまには獲れる。
でも海は広いが 魚のいる場所はそんなに広くない。
海経済も蛋白資源から鉱物資源の価値観へと・・


漁をするには道具が必要、船が無ければ始まらない。
だから暑くても船の手入れをする漁師。

・・・つぶしのきかない海の暮らし。
海の始まりは ロカの岬。

by hama-no-koya | 2013-08-11 22:33 | Comments(0)


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