伝統漁法の大敷網漁。
大掛かりので網で、構造も仕掛けも複雑。
定置網なので、決まった漁場に張り込んだ網を揚げて
日々網に入る魚を獲る。
アジ・サバからマグロまで獲れるれて魚は大小多彩。
今頃はアジやケンサキイカが多い。
今年はケンサキイカがここ数年に無く大漁。
大敷網にはスペアの網がある。
海で漁に使用している網と、陸で修理や点検している網がある。
たえず海に入りぱなしの大敷網は海藻や貝が付着する。
網が汚れると作業効率や魚の入りが悪くなる。
定期的に海の網を入れ替える漁師。
陸揚げした網は洗浄して点検する。
長年使うと網やロープが疲労し破損した所もある。
破れは当然に修理するが、破れそうな場所も早めに修理する。
海に入れてある網の現場修理は困難であるから。
破れや疲労した箇所の早期発見と修理を漁港の広場でする。
網は破れは小さくても魚の格好の逃げ口。
大時化には海の網が気になる。
網の部分修繕は繰り返しの細かい作業になるが、
ロープ部分の修繕はその箇所によって効果的な結び方がある。
長年の経験から結び方が決まってくる。
ロープ切れの原因は擦り減りと折り曲げによるものが多い。
繰り返しの繊維疲労から傷口が徐々に広がり、
限界を超えれば一気に切れる。
無傷のロープは強度もあり簡単には切れない。
ロープの基本形は3本撚りと編んだ8打形がある。
3本撚りは微妙な伸び縮みがあり強度もあるが固めで撚りがかかる。
8打は撚りがかからなく柔らかくて扱いやすい。
ロープの特性を生かした網の仕立。
ロープは海でも山でも使われる道具。
使う場はかわっても結びの基本形は変わらない。
日常でもレジャーでも使えるので結び方は覚えて損はない。
一見難しいが慣れれば便利で簡単なもの。
結びとはそんなもの。
網仕事の全てを知るまでには年数がかかる。
30年過ぎたが今でも未熟。
一つ一つが積み重ね。