檮原の町は美しい。
ゴミのない美しさもあるが町並みが美しい。
通りに電柱は無いが街路灯はある。
灯りの電力は自前の発電。
ここはヨーロッパアルプスではなく四国山地の町。
計画的に整備された田舎まちの本通り。
美しい峠のまち。
町役場のはす向かいにある古めかしい建物。
近代的な役場の反対側にある家。
家の字が重なる構造。
洋風でも和風でもない木造で大正ロマン的な芝居小屋。
開けっ放しなのでいつでも人が見学できる。
建物の保存ではなく現存している。
時代を遅れても美しい。
芝居小屋はシンプルな劇場。立派な梁や柱ではないが桟敷や花道もある。町役場は近代的な木造のホールだが、ここは昔ながらの空間が漂う。無人の舞台に「ドンジョバンニ」と「三番叟」が浮かぶ。昔からある地域の娯楽と木の建物。人の暮しを感じる。
「ゆすはら座」を見て、建築家が建てたというより、大工と住民が建てたと感じた。裏山から木を切って建てた芝居小屋。町の立派な文化ホール。