海辺の鉄道橋。
完成から八十数年がすぎる。
くたびれた様子はないが補修工事が進む。
冬は海からの北西風をまともに受ける橋。
昔の列車は重くて長かったが、いまの列車は軽くて短い。
年は経っても頑丈なコンクリートの橋。
自然の環境に適合した土木。
ふるさとの景観。
高台から橋をみおろす。
地形に沿って微妙な美しい曲線を描く。
この地を知らない外国の土木技師が描いた橋。
田舎と都会をつなぐコンクリートの作品。
田舎に残る近代の遺産。
古くても現役のかわらない鉄道橋。
海と山と空もある。
海から橋をみる。
橋を渡る使いまわした赤い車両。
どこからみても美しいものはうつくしい。
ふるさとに馴染んだ風景。