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2012年 05月 30日

今朝の漁

漁師を長年やっていると、魚の獲れない日もある。
今朝は、そんな日だった。

大敷網漁は、いろいろな魚が獲れる。
魚の大きさも、シラスからクジラまで大小様々。
今日も、量は少ないがタイ、ヒラマサ、アジ、イカ、ヒラメ・・・がいた。
いちばん多いのが価格の安い、今が盛りのトビウオ。

たまにだが、クラゲも魚に混ざって網に入る。
面倒な作業だが、船の上で魚とクラゲを選別する。
選別台の魚が跳ねる。クラゲの毒が皮膚に飛び散るとヒリヒリと痛む。
最悪は毒が目に入ること。
だからヘルメットにゴーグルを付けてそれを防ぐ。

選別された魚は、生きた状態で海水と氷を満たした船倉へ直ぐに入れる。
全ての魚が生き〆状態のようになる。
魚の鮮度で食感や価格が決まり、それが生産者の信用につながる。
ヒラメやトラフグなど一部の魚は、生簀に入れ活魚で出荷する。

穏やかな海がここ数日続いている。漁にとっていい環境ではない。
大敷網は、一年中同じ場所で魚が泳いで来るのを待つ。
大漁の日もあれば、不漁の日もある。

魚が獲れないからといって別の場所へも移れない。
そのうち、いいこともある。


                                                      (白ヘルが俺)
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by hama-no-koya | 2012-05-30 13:46 | Comments(1)
2012年 05月 26日

おもいつきの旅

一泊二日の旅に出た。
目的は、Jazz 喫茶の「Doug」で、長崎県の波佐見町にある。

道連れは、酒とジャズと波佐見焼を愛する長崎の深浦さん。
「Doug」のオーナー・マスターは、昼間は印章屋さんで陶器印などを彫っている。
開店は、夕方なので昼間は波佐見の町を散策する。

「伝統ある陶磁器のまち」。古風と今風が自然なかたちで景観として存在する町。
みやげ物屋さんらしくないお店。身近なやきものが旅人をひきつける。
「陶郷の中尾山」から「鬼木の棚田」。まさに理想郷。
焼き物の元作業場らしきが洒落たカフェ。足を休める旅人が溜まる。
気取らない町。やわらかい雰囲気がただよう。

Jazz喫茶「Doug」は、音響機材もマスターも店の創りも最高だった。
落ち着いた音色が、時を越えて流れてくる。
音楽だけでなく、旧小学校の大きな講堂への愛着話も聞いた。

昔ながらの素晴らしい場所が、今も現役で残る波佐見。
人が日常でそれを残している。

新しい波佐見焼きの器には、旅の想いを盛りたい。




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by hama-no-koya | 2012-05-26 15:27 | Comments(0)
2012年 05月 23日

夕焼け小焼け


海辺の夕焼けが、海に映える。
漁師が感動する夕焼けは、数えるしかない。
隠れても陽は毎日落ちる・・・。

漁村には、「夕陽がきれい」と「夕焼けがきれい」がある。
夕陽が水平線に消えるとき、真っ赤な太陽が微妙に変化する。
丸い夕陽の水際が広がる「ダルマ夕陽」。
見れるのは、日本海に面した海辺で暮らす「地の利」があるから。

見たことの無いのが、「グリーン・フラッシュ」。
太陽が海に消える瞬間、「赤い太陽が緑に見える」稀な現象。
見たいと思っても、チャンスが無ければ出会えない。

いつも見慣れた風景が赤く染まる。
疲れを癒す自然の恵み。
夕暮れで、その日の幕が降りる。

なにも知らなければ・・・
海辺で暮らすと、太陽が地球を回っている。



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by hama-no-koya | 2012-05-23 16:55 | Comments(1)
2012年 05月 20日

赤い瓦の家

山口県の北部地方には、赤い瓦の家が多い。
石見瓦とよばれ、近くに赤い瓦を焼く大きな登り窯があったから。
今は、その窯の跡地があるだけ。

時代の流れで、集落の家々が茅葺家屋から瓦葺に変わった。
その頃、地場で生産された瓦が赤い瓦。それでこの地方に赤い瓦の家が多い。
瓦は重たくて壊れやすい。輸送が大変なので地物を使った。
集落の赤い屋根。それは長い年月をかけ無意識に描かれた風景。

瓦の色が赤いのは、焼き物の釉薬が赤いから。
赤い瓦は、防水力に優れ強度もある。ただ人が屋根に上がると良く滑る。
山陰地方に降る雪は、海を越えて来るから湿って重たい雪。
瓦が滑りやすいので、屋根の雪も落ちやすい。

近頃は、田舎で家を建てる人はいない。
稀に家が建っても、瓦は好きな色が選べるようになった。
エーゲの白まで行かないが、山陰の海辺集落にも赤い色がある。
白い色が恋人の色なら、赤い色はふるさとの色。

風土の色が薄れる田舎。
瓦の字は、遥か彼方のサンスクリットから来た。


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by hama-no-koya | 2012-05-20 15:57 | Comments(2)
2012年 05月 16日

なんでもない風景

田舎に、なんでもないバス停がある。
純な気持ちで散歩する。いつかどこかで見た風景にかわる。
かわいらしい青色のバスが、海辺の道を走る。

コンビ二のない町。有れば便利と思うが、無くても不便と思わない。
農協や漁協のお店が、その役割をはたすから。
そこには、コンビニにないローカルな暮らしの雰囲気がある。
出歩ける老人は、そこで日頃の用を足す。

田舎で長年暮らすと、何人もいた家族が一人づつ減ってしまう。
一人ぼっちのお年寄りが暮らす、田舎の家がある。
さみしさや不便はなんとかなる。買い物と病院の薬が暮らしに欠かせない。
いつまでも、住み慣れた家で暮らしたい・・・。

誰も住んでいない家が田舎にある。
誰かの家族が長年暮らした家。空き家になるのは時代のながれ。
里山は、人の暮らしがあるところ。

空き家になった田舎の家。そこで暮らしてみたいと想う人がいる。
田舎暮らしの現実は、暮らしてみないとわからない。

なにもない田舎でバスを待つ人。
どんなバスが来るのか?。それは旅人の感性しだい。


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by hama-no-koya | 2012-05-16 14:48 | Comments(2)
2012年 05月 14日

はまべのすたじお


若い頃ジャズを聴いた。
仕事帰りに立ち寄る新宿のライブハウス「ピットイン」。
四十数年前の話。

今は、漁村暮らし。それでも音楽は日常から外せない。
ジャズからクラシックまで、浅く広く好きなものを聴いている。
音楽再生がレコードからCDに変わった。
時代はネット・オーディオに移行しつつある。関心はあるがついていけない。

オーディオマニアではないが、音楽は出来たら良い環境で聴きたい。
感情移入とアーチストにより近づきたいから。
安い給料の時代、ラックスマン(アンプ)でJBL(スピーカー)を鳴らすのが夢だった。
上の機種を見なければ、それが出来るようになった。
今でもその考えは変わらない。
 
音楽を聴く専用の部屋が欲しくなった。
想いが完成するまで2年をかけた。小屋の本体は業者に外注した。
ディザインや内装工事は、自分でコツコツやった。

海辺の田舎町で、生の音楽が聴きたい。ニューポートのジャズ・フェスタのような。
500席のホール。スタインウェイ(D-274)のピアノがある。
5月27日開催する豪華なジャズ・コンサート。今年で8回目になる身近で楽しいフェスタ。
グレート・アメリカン・ジャズ・オーケストラの「スイングJAZZで彩る映画音楽」。
木住野佳子・山中千尋・片倉真由子「美女たちのピアノの調べ」。
満席にしたい・・・今はそれだけ。

田舎で暮らしても音楽は楽しめる。
想いが深まれば夢は叶う。

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by hama-no-koya | 2012-05-14 22:50 | Comments(0)
2012年 05月 12日

飛魚

今年もトビウオがやってきた。
目に青葉、山ホトトギス、初トビウオ。自分で勝手に詠む。

奄美地方では周年獲れるが、南日本海では初夏の魚。
南の海からトビウオがやってくるのは産卵のため。
昔は、トビウオの刺し網漁が盛んに行われた。
夜明けに網を仕掛け、日の出と共に網を海から揚げる。

多い日には、一網何千匹のトビウオが網の目に刺す。港に帰り魚を外す。
朝の港は、トビウオを満載した船で活気に満ちていた。
魚を早く網から外さないとトビウオの鮮度が下がる。だから家族全員で手伝った。
そんな暮らしの風景が浜辺から消えて何年も経つ。

トビウオの価格が安い、儲からない。それが原因で長年続いた漁法が終わる。
トビウオ網が倉庫の奥に積まれる。暮らしの道具が産業廃棄物に化す。
時代の流れで、初夏の風物詩が漁村から去った。

旬のトビウオの刺し身は美味しい。
脂身でないあっさり系の魚。純な旨さが口に広がる。
どんな味と聞かれても、「トビウオの味がする」。それ以外の答えが見つからない。
繊細な魚の味だから、醤油を選びたい。

今晩食べるトビウオの刺し身は、定置網で獲った魚。
日に日に、トビウオの獲れる数が増えている。盛りは6月の5日前後。
海も獲れる魚で季節を感じる。

最盛期には値段も下がり、暮らしの味に変わる。


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by hama-no-koya | 2012-05-12 10:19 | Comments(1)
2012年 05月 07日

旅の後書き

「沈下橋と竜馬脱藩の旅」が終わった。
急な想いつきだったが、ややこだわり系の旅。

デジタルカメラは、記録や思い出を残す旅の道具。
一人旅で自分を写す。他人にカメラを任すが、どの写真も素晴らしい出来ばえ。
旅の想いが伝わり、想像を超えた描写になるから不思議だ。
写真は、旅のズーミングで出来ばえが決まる。それに人の感性と偶然。

三里沈下橋で出会った川漁師。ウナギの話が尽きなかった。
「打井川」の民宿のご夫婦。マニアルにない自然体の接客が嬉しかった。
道の駅「ゆすはら」のフロントは、コンセルジュのようなところ。
梼原役場の職員。仕事を超えた親切さと自信に満ちた説明がいい。
小さな出会いが、いつか大きな思い出に変わる。
みなさんお世話になりました。

四万十川とその支流に、数え切れないほどの沈下橋を見つけた。
橋は大小さまざまで、どれも暮らしの中に調和する。
青い川面に、空と白い雲が映る川。「残された清流」がそこにあった。

竜馬脱藩の道は、竜馬ファンの道かも知れない。
これまで「竜馬が行く」を二回読んだ。
マニアックな目的旅は、人に押し付けられない旅だろう。

旅も多様化した。田舎や自然体験のグリーン・ツーリズムやエコ・ツーリズム。
海外からの、買い物ツーリズムやメディカル・ツーリズム。
格安パック旅・・・。大切なものは旅の品質と想い。

旅には、行く道と帰る道がある。今回は、帰り道も旅の最中。
一人旅がいない国内の連休。複数で旅をすると、思い出も多くなるからだろう。
数日の休を、「大型連休」とよぶ我が国。

清流、四万十川は四国の山から海に流れていた。
そして行くべき所へ行った自分旅。





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by hama-no-koya | 2012-05-07 05:09 | Comments(0)
2012年 05月 05日

脱藩の道~2

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旅の後編は、この道を長州へ辿る。

梼原から「脱藩の道」は、歩き道になるがおおむね平行する車道がある。
くねくねした狭い道が四国の山を越える。
現地に立つと、時代が変わっても当時が想像できる歴史の道。

脱藩とは、故郷や家族や恋人と別れること。
彼らにとって希望の道であろうが、本心は涙の道にちがいない。
山の彼方にあるのどかな風雲。過ぎてきた長旅が時を越えてよみがえる。
感情が風景に浸透しながら移入する。

脱藩の道は、韮ケ峠で土佐から伊予の国になる。
竜馬は、大洲の長浜から船に乗り長州の三田尻へ向かう。
そして、果てしない陸路を下関へ。
今回は、松山の三津浜から船に乗り、瀬戸内海を柳井に渡ることにした。
それからは、竜馬が歩いたことのある三田尻から萩までの道を経由して家に帰る。
三田尻は、志士「脱藩の道」の終わりで、「維新の道」の始まり。

四国のおみやげを何も買っていない。みやげは旅の証。
防府の、まちの駅「うめてらす」であの時代を探した。
三田尻のみやげは見当たらない。一つだけあったのが「桑田醤油」だった。
「まる大豆の醤油」3本が、今回の旅みやげ。

防府から萩までの道は、何回も通った道。
客感的にものが見えるのか、いつもと違っていた。
美味しいものを腹いっぱい食べた翌日の食事。そんな感じで景色が過ぎる。
それでも故郷へつながる道。

満足感と複雑な気持ちが旅の終わり。

by hama-no-koya | 2012-05-05 07:57 | Comments(0)
2012年 05月 03日

脱藩の道~1

四万十川の源流に近い梼原の町は、脱藩の道にあった。
そこは、私が今「世界でいちばん行きたい」町。

梼原町の環境対策を聞くために町役場を訪ねた。
役所らしくない庁舎のディザインが町を表す。
エントランスホールにはピアノが置いてあり、敷居も段差も無い役所の玄関。
タウン・オフィスとは思えない、やすらぎの空間がそこにあった。。
休日のアポ無しにもかかわらず、日直職員の丁重な対応。
劇場のような庁舎が意味するものは大きい。

地球に優しい、風力発電。小水力発電。太陽光発電。木質バイオマス。BDF。・・・。
小水力発電は、昼間は学校に夜は街路灯に電力が供給される。
太陽光発電は、庁舎はもちろん、町内5.8%の家庭で利用され率は全国一。
町の取り組みを垣間見る。視察のような自分旅。


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                                                            梼原町役場
街道にある、道の駅「ゆすはら」の周辺整備は圧巻。想いきりの良さを感じる。
自治体経営の基本は「自立」。それは自分で完結するのでなく周囲と関係を持ながら行う。
一見、過剰な投資のようにも思える。それはそこで働く人の熱意や想いで決まること。
案内所の女性が好感度。彼女は、「ゆすはら」で暮らす住民のイメージ。

町中にある、まちの駅「マルシェ・ユスハラ」がいい。
吹き抜けの一階部分が地店で、2階はさりげないホテルになっている。
「まちの駅」が構想のとき、身軽なホテルの併設を夢見た私的な経緯がある。
東京駅のステーションホテルと同じ。いつか泊まりたい旅のホテル。

竜馬脱藩の道は、四国山中の梼原からはじまる。

by hama-no-koya | 2012-05-03 08:08 | Comments(0)