浜の小屋

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2012年 11月 28日

波佐見とカワハギ

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寒くなると食べたくなるのがフグ。
とは言ってもフグには毒がある  素人は料理ができない。
フグに似ている魚のカワハギで我慢する。

器は? お気に入りの波佐見焼を選んだ。
カワハギの味覚を楽しむと同時に  焼物も楽しむ様に・・・。
あまり考えないで  気持ちと雰囲気で刺し身を波佐見の皿にに並べた。
こだわりも技術もない 身近な素人料理。 
波佐見焼は、有田や伊万里に比べ 庶民の日頃器と聞いた。
自由に楽しむ 洒落た食器に広がる海の幸。

大胆で単純な絵柄の皿  薄っぺらで透ける無力な刺し身。
飾らないレモンとネギのさりげない脇役・・・。
思いつきで器に盛り付けた料理  それでも何処かで何かを感じる。
日頃を楽しむ晩酌肴として 満足な自賛。
刺し身を造って楽しみ 見て 食べて楽しむ今日の料理。

旅先で買った一枚の皿  使って感じるその真価。
淡白なカワハギの刺し身  美味より それぞれの持ち味を感じる。
料理を造る感じでなく 日常の夕食と一日の終わりを楽しむ。
自己満足だけど 旅の余韻と充実が食卓に漂う。

だんだんと 冬が近くなる海辺の暮らし
外が寒く厳しくなる 室内を食事や会話で暖めたい。
冷えた体が 心底温まるように。

by hama-no-koya | 2012-11-28 03:40 | Comments(0)
2012年 11月 25日

サンマとサンバソウ(三番叟)

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今朝獲れた魚の一部紹介・・・
山口県北部地方の沿岸では、イシダイの子供を「サンバソウ」と言う。
なぜサンバソウと呼ばれるか? 
 
イシダイの幼魚は白黒の横縞がくっきりしている。
幼魚は、ちょろちょろ泳ぎ廻る 成長すると動も落ち着き岩陰に身を寄せるようになる。
縞柄は、大きくなるにつれ目立たなくなる  数年魚は魚体が黒味を帯びるから。
大きくなったら地元では、 年配者は「チシャ」で 若者は「イシダイ」と普通によぶ。
刺し身にすると磯の香りがする美味しい魚。

「サンバソウ」の云われは伝統芸能の「 三番叟 」の衣装からきたらしい。
能や浄瑠璃で「三番叟」を演じる烏帽子の縞柄   その絵柄や形が似ているから?
昔は、漁村にも芸能の一座が村祭りなどにやってきた  それを観た村の漁師が・・・
コンサートホールが無い  テレビも映画も無い時代から神社に舞殿はあった。
村人は、ライブの芸能を娯楽として楽しんでいた
働きづめの暮らしの中で・・・。

四万十川源流の町では、「三番叟」を子供も知る  暮らしの中に芸能を継承しているから。 
津野の「三番叟」を映像で観た ・・役者の動きがイシダイの子供に共通するものがある。
伝統芸能かも知れないが、時代を選ばない演目。 四万十川の源流は芸能も原点?
村がさみしくなる今日  農村歌舞伎「三番叟」は、暮らしの奥深さと生きる意味を感じる。
・・・漁村の氏神様に神楽が残る  今はその幕数や楽師や舞手は希少。

南日本海でもサンマは獲れる。
今晩、自前サンマの刺し身を食べる  お味はどうかな?
この秋に2回東北を旅した サンマ刺し身を9月と11月に本場で食べた。
山口産魚も形を見る限り脂の乗りも良さそうだ  鮮度も体型も扱いも申し分ない。
食べ比べは、どちらが美味しいもあるが  それぞれの食感を見分ける。
南日本海で獲れたサンマもそれなりに美味しいはず。

大敷網は、色いろな魚が獲れる。 その魚に昔から現地の名前が付く。
周年獲れる魚もいれば、季節で獲れる魚もいる。
職業柄これまで多くの魚を獲り、なにも考えずに食べてきた。
「サンバソウ」が伝統芸能からきたことを知らずに・・・。

by hama-no-koya | 2012-11-25 15:19 | Comments(0)
2012年 11月 22日

アマダイ!!

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秋と冬の境目にある季節  こんなとき食べたくなる魚がアマダイ。
若い頃の漁は決まって  7月から10月までヒラメの一本釣漁をして・・・
11月から暮れまでアマダイの一本釣漁をやっていた。
あの頃は、ヒラメもアマダイも満足に釣れていた・・・ 今はその漁がさみしくなった。

そんな中でも、アマダイ延縄漁のオジサンたちは今も頑張っている。
延縄漁は、数百本の針に餌を付けた長い糸の釣り道具を、海底に延々と仕掛ける。
だから、アマダイの資源が減っても魚を多く釣ることができる。
市場に出回るアマダイは延縄漁で釣った魚。

久々にアマダイの一本釣り漁に出た   アマダイが食べたくなったから。
お昼過ぎまで漁をして  アマダイは一匹しか釣れなかった。
レンコダイとイトヨリダイはそこそこ釣れたが・・・。

待望の大型アマダイを早速食べる。
手を加えないシンプルな魚味の 「 お造り 」と「 しゃぶしゃぶ 」に集中した。
お遊びで カルパッチョも試してみた。

アマダイの刺し身は鮮度が決め手となる。
ぷりぷりした切り身  薄っすらの初雪が庭に白い朝・・・そんな食感だろう
もしかして、美食とはこのことかも知れない?
一枚一枚をゆっくりと  奥深くめくる頁のように・・・ 
街の回転寿司とは、まるでちがう食空間が夜長に広がる。

アマダイのしゃぶしゃぶは、鮮度が良くないとできない。
お湯に入れた瞬間に、切り身がプリンと丸くなる  そのくらいの鮮度がイチバン。
ポン酢は、自家栽培のもぎたてレモンを存分に使った  黄緑色の。
夜明けの初雪がサラサラの粉雪に変化する  別の魚に思える不思議な味。
同じ魚が二度美味しい  お色直しの花嫁  予期せぬ美しさ。

繊細な魚味なのでお酒を選びたい 
カルベネかシャルドネ系どちらかの手頃なワインにしたいところ・・・?
相性の究極は、 ほのかな香りの純米酒だろう。
アマダイは、外見も味もパステル画のように淡いから。

人の感性が豊かになる晩秋。

by hama-no-koya | 2012-11-22 05:12 | Comments(0)
2012年 11月 18日

下関の旅

下関に定置網の仲間と一泊二日の旅に出た。
距離的には100kmくらいの近旅  それでも気持ちや見方で興味を感じた。
何回も出かける街だが、本気で観光したことが無かったから。
マラッカやボスポラスと違う 身近な関門の街へ。

昼飯は、唐戸市場の「活きいき馬関街」で食べる。
普通の魚市場が週末になると  市民や観光客に開放される。
生の魚はもちろん シラスからクジラまで一般の人が買うことができる市場。
にぎりの寿司や海鮮丼の海食が そこらの店舗に所狭くとならぶ。
北国の海鮮市場のタラ・カニ・イクラ系でなく  西日本系の魚介が多い。
市場はお国の台所とも言われる  地食材が見たり聞いたり食べたりで垣間見れる。  
海外でよく見かける市場も共通。 買わなくても見るだけでも楽しい。

好きなお店で好きな魚食選び 空き場所の椅子や台で食べる唐戸市場。
場内で食べてもよし  晴れ日は弁当代わりに外で食べてもよし。 
市場と言うより、魚料理の巨大なバイキングか回転スシ屋の広場のようだ?

悩みは、魚食の選択肢があまりにも多すぎること。
魚を知らない旅人には、どの店の、どの魚、の何を食べるか迷うだろう。
俺のお奨めは、海鮮丼かフグ刺しだろう。
魚丼は、店のお奨めネタだろう?  フグは下関らしさがお手頃価格で味わえる。
酒飲みの身勝手で願わくば、夜間営業?

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「海峡夢タワー」に上った  展望台は俺たちのグループだけだった。
土曜日なのに・・・?  この前の「スカイ・ツリー」とは大きく違う。
昔から際物商売は難しいと聞かされた。 

水族館にも行った。 ペンギン村は南半球ファンにはたまらない。
妻はノースフェイス派  夫はパタゴニア派。
南氷洋捕鯨からきた 下関とペンギン? (近代捕鯨の父・岡十郎は阿武町の生まれ)
フンボルトペンギンはそこら中にに糞をする  だからフンボルト?

夜は、川棚温泉に宿をとる。
ある時期お気に入りだったので、何回も利用していた馴染みのホテル。
あれからから何年もご無沙汰していた  なつかしい宿。
生涯利用のリピート宿がほしい  気持ちの逃避や落ち着ける隠れ家的な。
旅の宿を越えたホテルの原点や湯治場のような・・・。

漁師の宴会は、思い切りが良く楽しい。
二次会のラウンジも楽しかった  仕事仲間で飲む酒は美味しい。
旅の目的が温泉でない川棚温泉の楽しい夜だった。

by hama-no-koya | 2012-11-18 11:07 | Comments(2)
2012年 11月 15日

11月の時化

夜明けに、いつものように港に集まる漁師。
南日本海の漁村に「木枯らし一号」の言葉は無いが海は荒れる。
今年初めての冬型の天気図  アラレが降り、北西の海風が容赦なく吹く。
冬のはしり 小荒れ模様の天気  今日で5日も漁に出ていない。
それにしても「 漁師の休日 」にしては長すぎる。
高知県が「竜馬の休日」なら  漁村のコピーは「漁魔の休日」・・・
彼に座布団3枚あげてください!。

北西の季節風が吹くと海岸にゴミが漂着する。
海辺の季節は、浜掃除の本番を迎える。
回収ゴミが海辺の ストックヤード? ピット? に集まる。
漁師やボランティアが浜辺の漂着ゴミをコツコツと拾うからそこに溜まる。
きれいな浜の片隅で 泣いているゴミの山。

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今朝も、漁に出れないので港内に溜まったゴミを漁師仲間で拾った。
海が荒れているので明日もゴミが漂着するだろう。
永遠に続くだろう・・・イタチ・ゴッコのように繰り返す海辺の掃除。
川ならゴミも下流に流れる  廃棄物に行く末はない。

海にゴミを捨てないでください! とお願いしても届かない海。
誰かが、海辺の掃除をする。

明日は、なんとか漁に出られるだろう。

by hama-no-koya | 2012-11-15 17:03 | Comments(0)
2012年 11月 13日

佐田の沈下橋

いつか、四万十河口の中村から源流に近い梼原まで川沿いを意味なく遡上した。
数えきれない沈下橋をいくつも渡った  川沿いの田舎宿にも泊まった。
春の終わり・・・ のどかで気ままな過去の一人旅。
ここにきて、忘れかけていた旅の想い出にじわじわと火がついた。

火曜日の夜は、テレビ・ドラマの「 遅咲きのヒマワリ 」を観る日。
「佐田の沈下橋」と『 地域おこし協力隊 』と「女優・真木よう子」が登場するから。
日頃テレビ・ドラマを観ない そんな男のはまったものは・・・

四万十の旅は、佐田の沈下橋から始まった。
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本物の沈下橋は、想像をはるかに超えた素晴らしい橋。
四万十川は河口近くなると川幅が広い  向こう岸は遠く 架かる橋も長い。
沈下橋に、らんかんは無い だけど運転が楽しい?
沈下橋は、先入車優先の一方交互通行だが、この橋だけは中央に離合部分?があった。
先入車を橋のたもとで待つ  渡り終わた対向車が 待つ車に軽い挨拶・・・。
街の味気ない電車やエレベーターの乗り降りと どこか違う。
里山のやわらかい風景  橋を渡る車と人が行き交う一瞬の笑顔。
人が優しくなれる四万十の沈下橋。

ドラマの主人公は、四万十市に籍を置く『 地域おこし協力隊 』で 元は街の青年。
彼は何を求めて田舎暮らしを選んだのか・・・毎回が苦労の連続。
なんとか地域に役立ちたいと努力する若者  身近な感動の今風ドラマ
暮らしの中に 片想いの恋や気がつかない大切なものを感じる。
内容や映像だけでない  役者も四万十のなつかしい色調に染まる。
主題歌の「常套句」もらしくていいね。   (じょうとうく)

もう一人は、訳ありのUターン女  田舎病院で働く無気力?な女医「真木よう子」。
キャスティングの個性からか ドキュメンタリーのように現実と重なる。
・・・俺は、彼女を「竜馬伝」の”おりょうさん”役から好きになった。
最初は、30年間描いていた”おりょう”像とはまるで違う女性だった・・・
いつの間にか、女優・真木よう子が ”おりょうさん” とかぶるようになった。
時代をこえて一人の女に惹かれる妙な男ごころ。
彼女のキャラクターが好きです  艶も感じる今時女優・・・。

俺が暮らす町にも 『 地域おこし協力隊 』の隊員が欲しくなった。
今、本気になってその準備をしている。
難題だが・・・いつか過疎の町にも遅咲きの花が咲くだろう。
あなたに会いたくて  会いたくて。

by hama-no-koya | 2012-11-13 10:53 | Comments(0)
2012年 11月 11日

シイラ

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近頃、大敷網で獲れる魚は?  答えはシイラだろう。
それも40~50cmの小型魚が多く獲れる。
1mを超えるとそこそこの値もするが、小さい魚は極端に安い。
それでも、多く獲れれば船の上がにぎやかになる。
シイラは、全身が板バネのような魚なのでバタバタ跳ね上がる。
暴れまわるので、魚体を捕まえるのが大変。

魚の♂♀の見分けは素人には困難だが、シイラは直ぐに分かる。
頭の形が直角に近いのがオス魚で、丸いのがメス魚になる。
食味は、オスとメスのどちらがお奨め? 漁師はメスの魚を選ぶだろう。
オスが不味い訳ではない  メスに比べての話。
メス魚の方が脂分がやや多いからだろう・・・
10月を過ぎで、1m以上の大きなやつは特別に食べて良し。

浜では昔から 「秋のシイラはヒラマサより旨い」と言われる。
小さい魚は塩焼きかフライで、 大きい魚は迷わずに刺身で食べる。
地元では、サシミの切り身を大きめに引いて切る。
シイラのサシミは、一枚を楽しむでなく、 動物の本能で食べる日常魚。
夏場ならミョウガを食べながら・・・そして漁師は酒を飲む。
頭と背骨と皮は、ナスやダイコンと煮付て食べる。

シイラは、5・6月頃に産卵のために北上して、10月に頃南下する。
カツオもほぼ同じ回遊をするが 「上りガツオ・下りガツオ」で広く表現されている。
カツオは、市場に多く出回り馴染みの魚  シイラはあまり街店に並ばない魚。
漁村では、昔からシイラを秋でなく夏の代表的な魚として親んだ。
過ぎた夏には、港にシイラ網漁の船が多くいたから。
その伝統漁法の今はない。

新鮮なシイラは、兎に角美味しい。
繊細な食味魚もいれば、文化や民族の原点である、食料としての海資源もある。
シイラを、ここ数日食べ続けている我が家の食卓。
思えば、子供の頃からシイラを食ってきた。

by hama-no-koya | 2012-11-11 14:09 | Comments(0)
2012年 11月 10日

二つのテラス・・・?

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街の商業テラスに興味をもつ田舎者  そこに行って見た。
以前、女子仲間のテラス・ディレクター言っていた。
オープンまでの苦労  オープンしてから  寝る時間が無いほど忙しいと・・・。 
他人事だが、俺はそんなやりがい仕事に憧れる。
空港にある「 江戸の小路 」  下町にある「 空の街 」・・・?
なんとなく、話題の街テラスを比較した。

「 ソラマチ 」のテラス・デレクターが、どんな人か知りたくなった。
聞くところによると  大学を出て間もない庶民女子らしい?
どこに、どんな店があるか  その気で見ればなんとなく解かる気がする。
若い女子向き? お店選びと配置が斬新でありながら、空間が下町の縁日ぽい。
寄せ集めでありながら  一貫した売り場美  身近なテラス・スタッフの応対。  
客層は、街人や各地から集まる老若男女  すんなりなじめる広場。
なにより、「 ソラマチ 」にいるだけで楽しくなれる。
人混みの中で・・・、新しいけれど古い伝統の江戸文化を肌で感じるマチ。

「 業平橋 」の駅が、「 とうきょうスカイツリー駅 」に変わったの?
目の前に見えるタワー  距離は近いが時間的には遠まわりの近代駅?・・・
「 押上 」の駅が、「 押上(スカイツリー前)駅 」になったの?
土地感の無い人は、どちらの路線駅を選ぶか悩むところ  俺なら、「押上」を選ぶ。
会社も、新しい街の駅名に悩んだと思う  それが社運につながるから。
なんとなく二つの駅を、乗り鉄目線で比較した。

もう一つの話題のテラス  羽田交際線ターミナルにある「江戸小路」。
近頃増えた、おみやげプラス食テラス? なぜか高知の「ひろめ市場」と比較した。
空腹を満たす食でなく  食べる楽しみや目的で食事をする人が多くなった。
旅に出る直前・直後に美味しいものを食べたいと思う人は少ない。
各地の食テラスと空港テラスは、立地の条件が違いすぎる・・・?

感じたことは、持続できる集客テラス。
追い風が、向かい風に変わるときがいつか来る  風向きや風力を読む。
一歩まちがえれば、無用の長いものになりかねない。
船を漕いだことのある漁師は、身をもって感じる世間の人風。

受け入れ側は、永遠に続くテラスの人混みを求める  客も同じ気がする。
でありながら、人が落ち着けて楽しい場所  難しい・・・
人のこころは見えないが・・・つかむことはできる。

知る限り「 ソラマチ 」は、名実共にテラスの いちばん人気!!。
隠れたいちばんは、スカイツリーを墨田区に誘致した人。

by hama-no-koya | 2012-11-10 05:37 | Comments(0)
2012年 11月 06日

田舎のバス~(あと書き)

1949年に尾無の集落で生まれた田舎ブロガー。
子供時代の家は7反ばかりの棚田を耕し、小船の漁で一家7人が暮らしていた。
今も同じ漁村で現役の漁師として、生まれた家に住んでいる地男。
棚田の耕作は止めたが  妻と二人の変わらない海辺の暮らし。
良い時代を好きな場所でを過ごしている  外から見えない哀楽の現実を。
生まれる場所は選べない  暮らす場所は選べる時代に。

子供の頃通った宇田小学校は、人であふれていた。
一学年に100人近くの児童がいた  その学校は数年前に廃校になった。
全校児童数が10人前後になったから  校舎は老人の福祉施設に様変わりした。
数人の子供たちは、バスで阿武小学校に通う。
時代の流れと、地区の住民が自立した町つくりの希望としてその選択をしたから。
失うことでなく継続のかたちとして。

漁協も農協も森林組合もみんな合併してしまった。
米も魚も木材も価格の低迷と生産者の高齢化で売上高が極端に減少した。
田舎を支えてきた地場産業は、時代の波に押されて土俵際。
動かない船は産業廃棄物に  夏草の生える田んぼも増えてきた。
数年すれば消えそうな小集落さえもある・・・。

過ぎてきた時代  なんとなくもあれば、大変や夢中もあった。
そんな時を振り返る  誰が聞いても愚痴か泣き言だと思うだろうが・・・
そこに暮らしている人はそうでもない  幸せでもいないが、不幸でもないから。
そんな、なんでもない田舎暮らし  いつか幸せと思う時がやって来る。
三千数百人が暮らす美しい田舎町に・・・。

世の中が大きく変わっても  こころの原風景は不変的なもの。
気持ちをこめて書いた希望  「 田舎のバス 」。
 
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by hama-no-koya | 2012-11-06 16:32 | Comments(0)
2012年 11月 05日

田舎のバス~(川尻)

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白須川の河口にある川尻の小集落。
赤い石州瓦の屋根上を山陰本線が走る  その背後に海がある。
見慣れた寂しい風景も見方によっては美しい。
こころで風景を見るからだろう。

屋根瓦の赤い色は、焼物の赤い釉薬が石見の地場で採れるから。
山口県の北部地方は島根県に近い だから双方の物流や暮らしが混じり合う。
川尻には湿った重たい雪が降る  厳しい冬の気候に対応する瓦。
昔から国境はあっても、気候や風土の線引きは曖昧なもの。
長州でありながら石州瓦の屋根が目立つ  赤い瓦が北浦地方に土着した。
冬の山陰  鉛色の風景に鉛色の瓦では寂しいから赤い屋根。
夏には  青い海に赤い屋根が原色で映える。

川尻の集落には汽車の橋がある。
コンクリートの作品のような鉄道橋  一見くたびれているようだが今も現役。
もうすぐ80歳になる古橋が、年を増すごとに美しく見える。
今の風景を永遠に残すことはできない  記録でなら残すことができる。
何処かの書庫でもいいから残したい  川尻の価値ある風景を・・・。
それが何の役にもたたなくても  暮らしの証として。

次のバス停が終点の惣郷  この集落で田舎のバスは折り返す。
復路は、人の暮らしを乗せて来た道を帰る。
終わりのない田舎のバス。

by hama-no-koya | 2012-11-05 15:16 | Comments(0)