浜の小屋

hamanokoya.exblog.jp
ブログトップ

<   2015年 03月 ( 8 )   > この月の画像一覧


2015年 03月 27日

漁村の年寄り




d0159062_21184034.jpg


年寄りが多くなるのは田舎だけでは無い。
街場の方がお年寄りは多いと思う。

田舎の年寄りは日常で屋外に出る機会が多い。
体力の限界まで働き、買い物や医者にも自力で出かける。
田舎には高齢社会が早くやってきただけ。
子供が少ないから。
いずれ街場も深刻になる。

施設定数9床のグループホームが一つあれば9人が利用できる。
900人の年寄が利用するには、90のグループホームが必要になる。 
施設が増えればそのように介護する人も必要になる。
狭いほど目が届き手が届く。

先のことを考えるより今を生きる。
そして、いつか必ず訪れる末期を考える田舎。
村人が集まる漁村の御見送り。



d0159062_00462545.jpg


買い物や病院通いは年寄りには、いつも不便な田舎暮らし。
厳しいけれど田舎には歩いて帰る我が家がある。
昔から通り慣れた迷路のような漁村の道。
手押し車が杖のかわり。
頼れるものは近所と集落と自分の杖。
少ない暮らしの選択肢。

荷台のかごに暮らしの品が乗る。
厳しさを感じるが、何処かに人の温もりを感じる。
弱々しいけれど・・・たくましい漁村の年寄り。
年齢より若く見える後姿。



d0159062_00462561.jpg


田舎暮らしで不便なものは買い物と病院通い。
高度医療は望めない。
それでも田舎暮らしが不便と思わない人もいる。
長年住み慣れた場所だから。


どこで暮らしても
大切なものは健康と暮らしの質。







by hama-no-koya | 2015-03-27 05:01 | Comments(0)
2015年 03月 23日

さよなら、いそかぜ




d0159062_09244594.jpg



今は短い普通列車だけが走る汽車の橋。
昔は特急列車が走っていた。
田舎駅に止まらないで通過する特急「いそかぜ」の姿。
JRに変わっても旧国鉄カラーの見慣れた車両。
山陰の風景に似合っていた。

住民が利用することがない特急列車。
同じ時間に通過する「いそかぜ」を時報替わりしていた住民。
時計を持たない田舎暮らし。

新幹線のおかげで各地を走る長距離列車が無くなった。
過ぎてきた鉄道の歴史。



d0159062_09244586.jpg



特急「いそかぜ」の最後の運行日を春になると思い出す。
十年前の春、さよなら列車を仲間と二人で見送った。
なにも出来ないので沿線の海辺に大漁旗を二本立てた。
お別れの特急「いそかぜ」が走る。
列車の機関士が旗を見て長音の汽笛を二回鳴らした。
さよならが通じたことが今でも嬉しい。
山陰本線の沿線で暮らす漁師。



d0159062_09244679.jpg



海沿いに伸びる線路。
走る列車は少ないがあるだけでも嬉しい住民。
田舎の線路は希望と別れ。


聞くところによると・・・
あの「いそかぜ」は現在ミャンマーで現役らしい。
なつかしい特急「いそかぜ」。







by hama-no-koya | 2015-03-23 05:00 | Comments(0)
2015年 03月 19日

田舎のトンネル




d0159062_22325252.jpg



漁村の近くに二つトンネルがある。
旧国道でその時代には幹線で路線バスも走っていた。
今は、地元の生活道で新国道は車道。
岩肌がむき出しの掘ったままのトンネルだった。
数年前にモルタルが吹き付けられた。
天井から石が落ちてくるから。



d0159062_22325264.jpg



子供の頃はトンネルを抜けて学校に通っていた。
風が強い日には前に進めない。
トンネルが風の通り道になるから。
夏の暑い日は逆でトンネル内は快適で涼しい。
短いトンネルは漁村の近道。



d0159062_22325258.jpg



トンネルを抜けると景色が変わる。
同時に気持ちも変わる。
自分の足で歩いて、ゆっくり通り抜けるから。
橋とトンネルでつながる近代道。
旧道にも意味がある。


田舎とはいえ安全と利便性の中で暮らす今の人。
トンネルは時間のショートカット。
絵になる海辺の穴場。







by hama-no-koya | 2015-03-19 05:05 | Comments(0)
2015年 03月 16日

田舎の海




d0159062_22110723.jpg



ふとした時に美しさを感じる海。
海辺で生まれて、何十年も海辺で暮らしてきた。
なんでもない見なれた海なのに・・・。

いい時代に、いい場所で生まれた。
いい場所で暮らしている。
六十歳を過ぎたころから何となく感じ始めた。
海辺の環境に馴染んだから?

厳しさもあるが、美しさもある海。
そこは故郷でありながら故郷の海だと思わない。
生まれた所で今も暮らしているから。
意味もなく、いつの間にか漁師を継いでしまった。
田舎暮らしに憧れたわけではない。
自然体の海辺暮らし。



d0159062_22110845.jpg



おだやかな夜明けの海。
神秘ともいえる青の瞬間が一面に広がる。
どこの海でもない。
いつもそばにある暮らしの海。
漁師の朝は早い。



d0159062_15220928.jpg



おだやかな海、反面に荒れ狂う海。
凪いでも時化ても暮らしの海。
海が荒れれば漁を休み、凪になればただ働く。
昔からそれをくり返す漁師。


明日は明日の風が吹く海辺の暮らし。
気ままのようで忙しい。



d0159062_14315483.jpg







by hama-no-koya | 2015-03-16 05:00 | Comments(0)
2015年 03月 12日

田舎の川




d0159062_14085808.jpg


田舎に川が流れる。
海辺でありながら小規模な川遊びもできる。
海と川の両方で子供が育つ。
自然がはぐくむ、過ぎた昭和の田舎暮らし。
今もそこで暮らすが懐かしい。
なんの変哲もない川。


海辺の集落から川沿いの道を通って惣郷の分校に通った。
義務で通って楽しんだ小学生の記憶。
五十年も前の田舎話。
道草で川遊びする子供は今はいなくなった。
子供がまばらで、ピックアップのスクールバス通学だから。
それでも変らない川の流れ。



d0159062_14085899.jpg


惣郷川の上流にはダム湖がある。
惣郷と尾無集落の上水道の水がめとして建設された。
谷あいにある川をせき止めた池。
ダムができ、漁村集落の上下水道が完成した。

谷あいに「白須たたら製鉄」の跡地が眠る。
山に水と炭木と近くに砂鉄があったから。
昔は大勢の人夫が汗と涙で働いた過酷な谷らしい?。
史跡だが住民は無関心。
昔のことで今の田舎暮らしに関係がないから。
暮らしに欠かせない集落の水源池。
静かな山の池に降る雪。



d0159062_17414845.jpg


惣郷川の終わりは汽車の橋。
約80年前にこの橋が完成して山陰本線が全線つながる。
川と海の境界線にある美しいゲート。
この先の海に夕陽が沈む。


ここで川と海が自然につながる。
川は流れて海に行く。
ここが、川の終わり・・・海の始まり。
ロカ岬の言葉が重なる。







by hama-no-koya | 2015-03-12 05:01 | Comments(0)
2015年 03月 09日

田舎の山




d0159062_13564039.jpg


海抜483mの新宮山。
百名山ではないが地元ではそれ以上の山。
美しい信仰のお山。

海辺から棚田道を歩くと御山神社がある。
神社の奥宮は新宮山にある。
山の奥宮までは、1,478の急な段々でつながる。
登山道というより地元では参道。



d0159062_14085882.jpg



海から見るとひと際目立つ新宮山。
裾野の海から沖に向かって大敷網がのびる。
大敷網から山や美しい汽車の橋や尾無の集落が見える。
山の神様が海の漁場を見守る。
新宮山の裏手からからいつもの朝日が昇る。
夜明けの大敷網漁。



d0159062_14315473.jpg


山を越える渡り鳥の群れ。
春夏秋冬そこにあり、表情を変える山の姿。
昔から見慣れた集落の美しい山。
集落のランドマーク。


海と山が川でつながる。
漁師にとっても山は大切なもの。







by hama-no-koya | 2015-03-09 05:01 | Comments(0)
2015年 03月 05日

浜の小屋 




d0159062_21145598.jpg


今から十年前の冬・・・
漁村の漁具倉庫を改装した。
ㇳーべ・ヤンソンの「島暮らし」に惹かれて。
海辺の小屋が無性に欲しかった。

素人大工で時間をかけての工事だった。
目的がはっきりしていたので作業工程がおもしろい。
東京の仲間が小屋造りを手伝いに来た。
二人で海辺の小屋を完成させた。


冬場は海が荒れるので漁が暇になる。
時化の日は朝早くから暗くなるまで素人大工をした。
図面は漁師の頭に描いた。
助っ人はカンナもノミも使えない街の人だった。
素人にもできる工法で施工した。
雑な工事だが自分で造るから、好きなものができあがる。
他人の評価は気にしない現場。
親子でつくる夏休みの宿題工作のように。


トーベ・ヤンソンの小屋でありなから、収まりの良いもの。
他人には意味不明だが当事者の製作コンセプト。
小屋ができあがるにつれて工事が楽しくなる。
年明け着工で二月初めには小屋がおおむね完成した。
集中したので予定より早い工期。

電気の配線はプロにお願いした。
コンセントはこだわり3Pでアース線まで埋めた。
安定した電源が欲しかったから。



d0159062_21145529.jpg


田舎の古民家を自分で再生する人がいる。
ゴミ出しから始まる作業。
最初は大変だがだんだん面白くなる。
建築家の洒落たリホームやリノベーションとは違う。
限られた予算内と気にしない工期が魅力。
やればなんとかなる古家の再生。



d0159062_11013362.jpg



海辺の小屋が完成して十年が過ぎた。
多くの旅人が小屋で過ごした。
トーベの本場フィンランドからやってきた女子もいた。
何をするでもなく、時を過ごす海辺の小屋。

リンドバークの「海からの贈り物」。 ソローの「森の生活」。
トーベ・ヤンソンの「島暮らし」。
漁師が勝手に思う・・・世界三大小屋暮らしの本。
小屋暮らしの日々が文学作品になる。


どこにあるか分からない海辺の小屋。
それでも人の灯りはともる。



d0159062_21153109.jpg







by hama-no-koya | 2015-03-05 05:03 | Comments(0)
2015年 03月 02日

網仕事




d0159062_21522058.jpg


漁港に陸揚げされた大敷網。
同じ量の網が海の中に仕掛けられている。
二組の網を交代で使う。

古くなると傷みやすい網。
大きな網なので値も高く新調はできない。
その都度修繕をして何年も使う網。
新品の網は丈夫で魚も多く獲れるが・・・
大漁の予定は未定なの投資計画は立てにくい。
自転車操業なので古い網を修繕する。
限界が来れば考える。


網の修理は簡単そうで難しい。
2本の糸が4つに交差して四角い網目が出来上がる。
繰り返しの手順で網目を編み上げる。
破れの修復で最後の網目が四角に収まらないことがある。
修理過程のミスで三角や五角の網目があるから。
編み物の基本は同じことを繰り返す。

大敷網の網構造は複雑である。
全体の図面が理解できるまで入門から何年もかかる。
網の仕立てや裁断ができるまでには何十年もかかる。
長年積み重ねて網仕事を覚える。

大破れや古くなった網の部分を切り取り解体して
新しい網を部分移植する修繕がある。
古い編み継いだ部分の糸を鋭利な刃物で切り離す作業。
集中して結び目の編み糸を切る。
慣れても気を使う。



d0159062_21522062.jpg


海に仕掛けてある網は海草や貝が付着する。
周期で陸揚げをして洗浄機や手もみで汚れを落とし修理する。
何かと手間がかかる大敷網のメンテナンス。
冬場は寒いし夏場は暑い。

網が汚れると魚の入りが悪くなる。
破損もするし網が重たくなり作業が大変になる。
たえずきれいな状態が網の理想。
冬場は海が荒れるので海上の作業日が限られる。
凪が来るまで待つだけ。


魚を獲るだけの作業なら楽しいが裏作業もある。
垣間見る網漁師の地道な世界。
明日は明日の風が吹く海辺。



d0159062_21533806.jpg






by hama-no-koya | 2015-03-02 05:07 | Comments(0)