浜の小屋

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2015年 10月 30日

うつくしいうみ




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海は仕事の場。
日が出る頃が大敷網漁の始まり。
いつものつとめ。

海辺で暮らすと海が日常で珍しくないが、
時として美しい感じることがある。
ひかりの色が変わると、いつもの風景が変わる。
日常で目的も無く洒落る自然。
惚れなおす海。



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静かな海。
音のない混じがない澄んだ空間。
無の境地。
言葉で表現できないその世界。
遠くに見える水平線。
すいこまれる青。



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荒れる海。
海辺の道路と線路まで波しぶきが上がる。
こんなこともある。
波風が立つのは自然の摂理。
待てば海路の日和あり。

時化の日は海仕事は休みでも何かをしている。
田舎暮らしはのんびりそうで忙しい。
天気によって変わる日課。



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海の夕暮れ。
春夏秋冬、夕陽の沈む位置が微妙に変わる。
沈む時間も微弱に変わる。
冬至と夏至を折り返す日没の太陽。
変わるひかりの色


身近な自然。
海辺で暮らして思うこと。
人の感性。







by hama-no-koya | 2015-10-30 04:20 | Comments(0)
2015年 10月 27日

うつくしいはし




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海辺の鉄道橋。
完成から80何年が過ぎる。
くたびれた様子はないが補修工事が進む。

冬は海からの北風を真面に受ける橋。
昔の列車は重くて長かったが、今の列車は短くて軽い。
年は経っても頑丈なコンクリートの橋。
自然の環境に適合した土木。
ふるさとの景観。



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高台から橋を見下ろす。
地形にそって微妙な曲線を美しく海辺に描く。
周りの景色にとけこむ橋。
この地を知らない外国人の土木技師が描いた橋。
コンクリートの作品。
田舎にのこる近代の土木遺産。



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夜が明けたトワイライトエキスプレス。
不定期の運行だが、撮りたさに遠くから人が集まる。
美しい橋を渡る汽車。

古くても現役の変わらない鉄道橋。
海と山と空もある。



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海から橋を見る。
橋を渡る使い回した赤い車両。
橋と妙にあう。


どこから見ても美しいものはうつくしい。
ふるさとに馴染んだ風景。







by hama-no-koya | 2015-10-27 04:57 | Comments(0)
2015年 10月 23日

うつくしいたんぼ




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海を見下ろす田んぼの稲刈り。
道が狭く大型の機械が入らないので人手が稲を刈る。
田舎の変わらない秋。

山の田んぼが減る中で稲刈りをする夫婦。
二人とも古希を過ぎたとは思えない。
何十年も繰り返す農作業。
手慣れても手間ひまがかかる山の田んぼ。
倒れた稲を手で握りカマで刈る。



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実ればたれる稲の穂。
秋の日差しで稲穂が熟れる。
稲を刈り、ハゼに掛けて天日と風で乾かす。
脱穀機でこいで籾にする。
昔から変わらない取り入れの手順。

美味しさが伝わる風景。



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うつくしい田んぼの秋色。
自然が描く暮らし。



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うつくしい田んぼのかげり。
遠くに見える海。


先のことより今を生きる。
引き継ぐことはできないが人の心に残したい。
つるべ落としの夕暮れ。







by hama-no-koya | 2015-10-23 04:59 | Comments(0)
2015年 10月 21日

うつくしいむら




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なんでもない漁村。
街から離れた田舎、住めばいつもの風景。

昔からそこにあるもの。



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街から村につながる道。
出て行く人がいれば、帰って来る人もいる。
遠くからわざわざ訪れる旅人もいる。
漁師になる人もいる。

海沿いの田舎道を歩く人がいる。
そこに村があるから。



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海があるだけでほかにはなにもない。
昼中は出歩く人もない。
温泉もなければエステもコーヒー屋もない。

あるのは自分だけ。



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おだやかな小春日和。
のんびりする人、忙しく働く人。

なにかを忘れる人。







by hama-no-koya | 2015-10-21 04:33 | Comments(2)
2015年 10月 16日

大敷網のエピソード

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尾無浦の大敷網は昭和の初期頃に村人たちが出資して始まった。
当時は魚の資源も豊富で水揚げ量も多かったが、
辺ぴな漁村なので魚が獲れても輸送手段が問題だった。
地元消費は少なく、大漁だと下関の市場までトラックで輸送した。
魚を満載して未舗装の国道を一晩かけて走る。
下関の市場は魚が高く売れて、現金で支払われるから。
どれも親父から聞いた一昔の話。


大敷網漁に従事して30年ぐらい経つ私。
出初めの頃は一つの網を三隻の船で持ち寄せ操業していた。
一つの船に5・6人が乗り組んで。
網は部分的に機械で揚げていたが大部分は人手で持ち寄せていた。
今ほど網は大きくなかったが、それなりの漁があった。
そんな中、数年前に台風で網が半壊するほどの大きな被害にあう。
新調や修繕するには多額の費用がかかる。
魚資源の近未来の予測と、乗組員の高齢化で再建をあきらめる。
台風がきっかけで大敷網を止めたが・・・


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2年ぐらい休眠して、新たに大敷網漁を始めることになる漁村。
あきらめない大敷網への執着と資材業者の勧めから。
旧大敷の始まりは昭和の初期頃で村中の家々が株主だったが、
数年前に新たに組織を変えて少人数で再開する。
資金不足から中古の船と網を使いまわす自転車操業だったが、
改良された網のせいもあり数年で軌道に乗った。
今思えば気持ちで乗り切った橋渡り。
漁師にとって、魚が獲れるは希望的観測で曖昧である。
道具があっても、魚が獲れる保証がない海。
魚資源の先行きは誰にもわからない。
大方の予測と傾向は先細り。

漁村に細長く伝わる大敷網漁。
海に囲まれた我が国。地道な海の産業基盤。
地域と暮らしを支えてきた。
誰のものでもない海。


大敷網で獲れた巨大なマグロ。
今年5月の出来事。
こんなこともある漁村の暮らし。







by hama-no-koya | 2015-10-16 04:42 | Comments(0)
2015年 10月 12日

大敷網 その三




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港に着くと荷揚げが始まる。
網から魚を揚げて、所要時間はここまで約30分。
氷のききもよく新鮮な魚。
船倉からすくいあげた魚は岸壁の選別台に移される。
そこで魚を種類別に分ける。
迅速に進める作業のため手伝いの女性が加わる。

この日はアジ・サバやイカもいたが主はサワラだった。
サワラは、魚に春と書くが秋にも水揚げされる。
春は大型の魚が多い、秋のサワラは小ぶりな魚が群れで獲れる。
鰆の旬は春だが水揚げ量は秋の方が多い。

寒くなるにつれて体に脂がのるサワラ。
鮮度が落ちやすい魚なので扱いに気をつかう。
産地や生産者で物が売れる時代。
魚の見極めができない消費者も店頭で産地の確認ができる。
居酒屋でもたまにその表示がある。
宇田郷の定置網で獲れたサワラだが萩市場に出荷するので、
表示は萩産の魚になる。


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荷捌き所に移されたサワラ。
同じような大きさの魚を集めて箱に詰める。
この時点で「道の駅阿武町」の直売所に運ばれる魚もあるが、
水揚げされた魚は箱詰めして萩の産地市場に出荷する。
荷揚げから箱詰めまで手間をかける。
迅速な魚扱いが価格につながる。


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一昔前は各浦々に漁協があり、当地の市場で魚が競られたが、
今は漁協の合併により萩市場に近隣の魚が集まる。
産地市場で買う人は仲卸業が大半で、競り落とされた魚の多くは
都市市場に運ばれ再びセリにかけられる。
大敷網では魚を獲るだけで直販はしない。
昔からの漁師だから。

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中型や大型のサワラは別扱い。
サワラ専用の箱に入れ重量を計測して箱に記入する。
大型のサワラは刺身でも焼いても美味しい。
丸みをおびた幅広の魚体がいい。
同じサワラでもそれぞれの体形があり食味が微妙に変わる。
長い魚なので部位によっても旨みが変わる。
一般消費者にはわからないだろう。
漁師には見分けがつく。



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箱詰めされたサワラは萩の市場までトラックで運ぶ。
それまでが大敷網漁師の仕事。
後は魚が高く売れることを期待するだけ。
毎日、変動する魚の相場。
多く獲れれば単価は下がるが数量で金額が伸びる。
大敷網漁は古くから伝わる地域振興。
生産基盤支える大敷網漁。

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早朝からお昼前で終わる海仕事。
夕食のおかず魚を持ち帰る大敷網の漁師。
漁村の営みと暮らし。
大漁ならば帰る足取も軽い。

南日本海に面したなんでもない漁村。
明日は明日の風が吹く。


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by hama-no-koya | 2015-10-12 16:26 | Comments(0)
2015年 10月 08日

大敷網 その二




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大きな網も狭めると袋状の網になる。
ここが魚を獲る部分の網。
大漁で魚が多すぎると重くて網を狭めるのに苦労する。
中漁はたまにあるが大漁は滅多に無い。
近年はサワラが増えたが、南日本海の沿岸からブリは減った。
アジ・サバも減ったがそこそこは獲れる。
イカは減りもしないが増えもしない。
大敷網は獲れる魚の種類が多いので何かの魚が獲れる。
ブリが減ればイカが増える感じもある?
回遊魚には何年かの増減スパンがあり不漁を繰り返す。
食物連鎖と気象条件も加わる。
今年の漁は春先から夏までは良い年である。
秋口からは平年並み。



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操業のクライマックス。
狭めた網の魚をすくい上げ船に取り込む。
大敷網は、大小いろいろな魚が網の中で入り乱れ獲れる。
選別台で魚を選り分ける。
イカは魚と一緒にするとキズが付くので別扱い。
カツオ類は表皮が擦れやすいので別の氷水船倉に入れる。
鮮度と品質で魚のセリ値段が変わる。

大敷網で獲れる魚は多い。
年や季節によって水揚げ量や種類が変わるが、
アジ・サバ・カツオ・ブリ・マグロはほぼ周年獲れる。
大物はサメやカジキやクロマグロ。
今年最大はマカジキ約250kgでクロマグロは約300kg。
マグロはおとなしいがカジキは暴れるので取り込みが大変。
尖った口ばしがあるので危険な魚。
たまに網も破る大物の魚。
漁師の気持ちが騒ぐ。

大きくてもおとなしいのはジンベイザメ。
市場の価値が無いので逃がすが、暴れることはない。
大きいので網の外に出す作業が大変。
年間数匹は網に入るジンベイ。

マンボウやカメもおとなしい。
カメは神様の使いなので酒を飲ませてから逃がす。
アオウミガメはおとなしいが、珍しいオサガメは暴れる。
丸い動体と尖った尻で扱いも大変。
海にはいろいろな生物がいる。
大敷網にたまに迷い込む変わり者たち。



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おとなしくしているジンベイザメ。
網の中を泳いでいる時はさらに大きくに見える。
操業に害はないが手間がかかるジンベイ。



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地元ではコブダイとよばれている魚。
珍しくもないが頭のコブはぶよぶよして柔らかい。
かたちがおもしろい。



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 貝殻を背負うタコ。
食べたことは無いが貝殻がきれいなので持ち帰る。
大敷網にはいろいろなものが入る。
50kgぐらいの大きなクラゲも入れば漂流ゴミも入る。
その多くは化石製品でできたゴミ。
近年はゴミの量が増えた。



魚を積み込んだ船は港へ向かう。
道中は約15分。







by hama-no-koya | 2015-10-08 04:22 | Comments(0)
2015年 10月 05日

大敷網 その一




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夜が明けると港を出る大敷網の船。
だんだんと夜が長くなる秋。
日暮れが早く夜明けの時間が遅れる。
乗組員は10人。
元気だが人も船も半ば老朽化した。
船の音で夜が明ける村。


大敷網の歴史は古い。
発祥は山口県豊浦の湯玉で1600年代ともいわれる。
時代を経て改良され今の網に至る。
変わらない漁と村の暮らし。
住めば日常。

大敷網は定置網で、魚の通り道に網を固定して回遊する魚を獲る。
獣道に掘る落とし穴のような、魚の習性を利用した漁。
魚を一度に多く獲る大敷網は大掛かり。
近代では改良され効率的に魚が獲れるようになった。
道具も稲藁や竹などの天然資材から丈夫な科学製品に変わり、
漁船もFRPで造られ機械化が進んだ。
それだけ設備投資にお金もかかる。
減ってきた魚資源に対応できないから。
昔は浦々にあった大敷網だが今は廃業した大敷網も多い。
原因は海の魚が減ったから。

大敷網は魚を追い求めるでなく待ち構えて獲る漁法。
灯りや餌で魚を寄集めることもしない。
魚群を探すこともしない。
釣り針で掛けることもしない。
銛で突くこともしない。
魚と向かい合う漁。



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港を出て20分もすれば漁場に到着する。
乗組員には持ち場があり、それぞれがいつもの定位に付く。
始まりはいつも何が獲れるか楽しみな瞬間。
大漁もあればさみしい漁もある。
結果は泳ぐ魚次第。
おもいはいつも希望的観測。



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水深は約30mと深くない漁場。
大きな網を4カ所のローラーで巻き上げる。
その動作を何回も繰り返して大きな網をたぐりよせる。
練れた作業だが、凪もあれば波風の強い日もある。
自然が相手のいつもの職場。
海にも漁にも慣れるまで年月を要する大敷網の漁師。
一つ網を全員で揚げる。



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網を徐々に狭め、最後は魚を一カ所に追いつめる。
その部分の網は袋状で、集まる魚を大タモですくい揚げる。
所要時間は約一時間だが大漁なら時間もかかる。
漁は仕事だが楽しいこともある。
魚を獲る漁師だから。


尾無の大敷網は昭和の初期に発足した。
三十数戸の村人が出資して。
今も続く大敷網漁。







by hama-no-koya | 2015-10-05 04:15 | Comments(0)
2015年 10月 01日

松の木




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海辺の松が枯れる中で、
コンクリートのスラブに生える一本の松。
根を下ろした居場所。


海辺の自然環境。
海辺の松の木の多くは松食い虫にやられて枯れてしまった。
松枯れに強い苗を植えても数年で枯れる。
マツクイムシが松枯れの原因。

海辺の菜園場に大きな松の木が二本あった。
浜に大きくせり出した松の幹と枝。
夏には日陰となり、子供の溜まり場になった。
絵になるような海辺の松。

今から三十年ぐらい前の話。
二本松を売らないか?
松葉は青いが松食い虫にやられているから。
今ならお金になる。
松の所有者は我が家だったので了承した。
直径が1mくらいの松の木が二本で三万円ぐらいだった。
安いと思ったが・・・
松枯れを放置しておくと松食い虫が増えるらしい。
誰が悪いわけでもないとあきらめる。



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宇田島に一本だけ残っていた松の木。
その松も枯れた。
古老の漁師が曰く、
沿岸からブリが減ったのは海辺の松が枯れたから。
まんざら嘘でもなかろう。

海辺の緑は漁にも影響する。
昔から魚付き保安林の言葉がある。



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北の海辺にも一本だけ松の木が残っていた。
あれから何年か過ぎた。

何を思うのか海辺の松。







by hama-no-koya | 2015-10-01 04:25 | Comments(0)