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2016年 04月 29日

尾無の雨




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静かに降る漁村の小雨。
春でも夏でもない変わり目の季節。
古くなった漁船と錆びのまわった軽トラック。
故障したら換えようと思う。
長持ちする機械。


漁師に定年退職はない。
村では、たいてい80歳ぐらいまで漁をする。
自分の体力に似合った漁を。
歳をとっても働けるのではなく、働くから歳をとらない。
仕事が筋力トレーニングになっているから。
足腰をまんべんなく使う漁師。
細く長く生きる。



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昔から四月の大敷網漁は水揚げが良くない。
水温が低いからだろう。
今朝の漁は、ケンサキイカがそこそこで魚類は少ない。
ヒラマサやアジが少々で他は雑魚。
前の日は、小サバが3トンぐらいいたが値が安い。
今の時期は不安定な漁獲漁。


雨粒がぬるくなった。
雨が降ればカッパを着る漁師。
いつかは晴れる漁村。







by hama-no-koya | 2016-04-29 04:40 | Comments(0)
2016年 04月 25日

おだやかな海




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遠を見ていると海が美しいと思うときがある。
近くを見て暮らしているから。
無意識に変わる季節。

これまで多くの魚を獲ってきた。
海にも潜ってきた。
漁師だから。

漁業がさみしくなった。
漁船が減り、漁師が減り、魚も減ったが、
仲間と新しい大敷網の船を造る。
勝ち目があるから。
現実と希望の狭間で生きる。


おだやかな海。
遠くに宇田島と姫島が見える。








by hama-no-koya | 2016-04-25 05:00 | Comments(0)
2016年 04月 20日

海辺の小屋




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漁村には小屋が多い。
通常は漁に使う道具を入れる目的。

仲間と漁具倉庫を改装して出来上がった簡易な小屋。
四角で飾り気けのない狭い空間。
それでも居心地がいい。
秘密基地。

小屋の周りに咲く花。
春はチューリップ、夏のヒマワリ、秋にはコスモス。
冬に咲く花は無い。
海からの北西風が厳しいから。
手のひらをかえすような夏と冬の絵。
繰り返す海辺の季節。

アンモロー・リンドバークの 「海からの贈り物」。
ソローの 「森の生活」。
トーベヤンソンの 「島暮らし」。
どれも小屋で暮らした本。
世界の身近な名作。


のんびりした空間。
海辺で暮らす意味はそれぞれ。







by hama-no-koya | 2016-04-20 04:38 | Comments(0)
2016年 04月 16日

こんぴら参り 二




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通常の参拝者は本社で石段が終わり目的が達成する。
しかし、金比羅さまの段々は先が長い。
漁師仲間と本社を越えて、奥宮までお参りしたことがある。
すぐそこにあると思いきや意外と長い奥宮への参道。
山頂まで続かないが、坂道と疲れる段々。

達成すると御利益はある。
金比羅本社はロカの岬で、「ここで大地が終わり、海が始まる・・・」。
ゴールでもありスタートでもある本社と奥宮。
気持ちがポルトガルに飛躍する。


段々はなんとなく左側通行でその意味を発見した。
のぼり坂で荷や杖を右手に持つからだと。
理にかなうと思った東京のエスカレーター。
旅の洞察はおもしろい。



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細くても道が続けば歩きたくなる。
漁師人生終盤だが、追風に帆を揚げてスイスイの時代もあった。
昔は漁に夢中だったが、今は厳しいがもおもしろい。
先を考えるより今を生きる田舎暮らし。
下り坂も歩けば足が応える。



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近くても遠くになる過ぎてきた旅路。
フナに始まってフナに終る釣りにも似ている漁。
だんだん弱気になりそうな日常。

遠くにかすむ讃岐の平野。







by hama-no-koya | 2016-04-16 04:32 | Comments(0)
2016年 04月 12日

こんぴら参り 一




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金比羅様は讃岐の琴平にある。
漁師の俺は、たまに「こんぴらさま」にお参りする。
昔は、漁村に「金毘羅講」があり、
漁師は水揚げからお金を積み立て金比羅様にお参りをしていた。
その道中で湯に入り旅酒を飲んで体をいやした。
暮らしと旅を重ねた昔のツーリズム。

今の漁師は思いつきで金比羅参り行く。
萩から讃岐まで半日で行ける夢のような時代。
龍馬の知らない近代日本。



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昔から安心して旅が出来るニッポン。
映画で見たが、江戸時代にも女子が一人旅をしている。
昔からあるニッポンのツーリズム。
世界は広いが安心して旅が出来る国は少ない。
旅は庶民の文化だと思う。


土讃線の琴平駅の駅舎が見るからにおもしろい。
和洋折衷だが実にまとまっている建物。
駅舎自体が地域を巧みに表現。
誰が考えたのか、のぼり旗の装飾まで決まっている。
瀬戸内の芸術祭参加作品?

個人的には、秋田の田沢湖駅と同じくらい見る価値のある駅舎。
琴平駅の設計者は知らないが素晴らしい駅。
旅人にとって、駅は目的の入り口でもあり出口でもある。
歓迎と見送りをする琴平の駅舎。



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桜の季節が終れば忙しくなる田舎。
漁も田んぼも本格稼働。
健康も仕事も神頼み。
地元に氏神様があって遠くにも神様がある。

遠くに神様が居るから仕事や旅が出来る。
金比羅参りも旅のかたち。







by hama-no-koya | 2016-04-12 05:47 | Comments(0)
2016年 04月 08日

さようならトワイライト




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何年か前のさよなら列車。
山陰本線の惣郷川橋りょうを渡る特急「いそかぜ」の姿。
話題にならなかったがこれも「さよなら列車」。
この日の撮り鉄は一人だけ。
列車を見送る人は沿線で暮らす人。
毎日決まって通る列車を時報代わりにしていたから。
今思えば国鉄カラーの車体がなつかしい。



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人気のさよなら列車「トワイライトエキスプレス」。
退役した臨時だが特別仕立てで朝方に下り、翌日の夕方に橋を上る。
この次は無いと聞く・・・
北の方では引退した「カシオペア」が臨時で復活する。
予期しないボーナストラック。

コの字型の座席に揺られた夜汽車の旅。
なつかしい寝台列車・・・。


普段誰もいない田舎に大勢の人が集まる。
列車の写真が撮りたいから。
川沿いから山の中腹まで撮影ポイントは先着順で様々。
場所とりに徹夜組もいる。
多い日には数百人の撮り鉄が押し寄せる。

雑山に空いた二つの穴場。
ホールなら調整室から舞台を見下ろすような位置取り。
二階最前列中央の席で鑑賞する舞台音楽。
ギャンブル場なら特別観覧席。
F1ならポールポジション。

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気になるので、数点の撮影ポイントに着地してみた。
崩れそうな急な山道を上った傾斜地。
なるほど・・・絶景。
景観に合わせてゆるやかな弧を描く橋。
試しに汽車の走らない橋を汽車を想像して写してみた。
気持ちがわかる舞台裏。


列車が走らなくても美しい橋。
今から八十数年前に完成したコンクリートの作品。
冬場は海からの風雪にさらされてきた。
ふるさとの遺産。

子供の頃から汽車の橋はあった。
橋の下で泳ぎ、橋の見える海で漁をする。
コンクリートの橋なのに地元では鉄橋とよぶ。
鉄道の橋だから。

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汽車の橋は海からも見える。
沿線で暮らす人。







by hama-no-koya | 2016-04-08 05:18 | Comments(0)
2016年 04月 04日

だるま夕日




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尾無の日本海に沈む「だるま夕日」。
漁村で毎日暮らしていてもダルマの日没は珍しい。
北風の吹く三月の夕暮れ時。

カメラが望遠でないと写せないダルマ状態の夕日。
夕日といえども核心は輝く太陽。



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二枚は同じ夕日。
こちらポケットカメラ4倍ズームでの撮影像。
肉眼で見えるのはこの程度?。
夕日がダルマになっても「だるま夕日」に気づく人は少ない。
ダルマでなくてもきれいな夕日。

旅人がカメラを選ぶには・・・
ポケットカメラの光学20倍ズームなら大方の旅写真が撮れる。
4倍も20倍も同じような大きさと価格。
昔なら、広角25ミリから望遠500ミリ相当の光学レンズ?
速度も絞り補正もカメラ任せ。
便利で高性能で簡単で安価な今のカメラ。
写真はその瞬間を残す。

俺は、漁に4倍のポケットカメラをなんとなく持参する。
無くしてもいいし邪魔にもならないから。
機能的には最新のスマートフォンには負けるだろうが、
汚れた手で気にせず触れる。


旅人が「だるま夕日」を肉眼で確認するのは難しい。
双眼鏡で見るには危険な太陽。

珍しい「だるま夕日」にこだわればの話。
海に日が落ちる田舎暮らし。







by hama-no-koya | 2016-04-04 05:07 | Comments(0)