浜の小屋

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2016年 10月 30日

旅人が残したもの。



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小屋の壁に書かれた旅の思いで。
誰かが残したもの。
どれも楽しかった過去のもの。
旅人の置き土産。



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暑かった夏の日。
数年前に書かれた人の気持ち。
あの日には、大きなカジキマグロが獲れた。
レモン畑に行って蚊にさされた。
みんなで寿司を握った。
煮魚をきれいに美味しく食べた。
帰る日は大雨。



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先客がエベレストの絵を描いた。
次の誰かが、マッターホルンの絵を描いた。
世界は広いが想いは一つ。
表現と気持ちがおもしろい。


過ぎた日のできごと。
旅人の絵日記。









by hama-no-koya | 2016-10-30 21:42 | Comments(0)
2016年 10月 22日

秋桜




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家の前に咲いたコスモス。
どうでもいい写真だがゴミ箱に捨てられないもの。
さみしいけれど海辺の小春日和。
価値の無いもの。

田舎で暮らすと季節を感じる。
気休めに凪がれる小野リサのボサノヴァ。
やわらかい午後の海辺。




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目的があってコスモスを植えたわけではない。
種をまいたら花が咲いた。
手入れもしないが、真夏の日照りにも枯れなかった。
暮らしを彩る控えめな花。
田舎に根付いた丈夫な帰化した植物。
花はやがて種に変わる。

一雨ごとに寒くなるこれから。
夏と冬の変わりめ。



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日が傾きかけた静かな漁村の道路。
歩く人はいない。
漁をしながら生まれた家で暮らしている。
街から遠く離れていても、
住めば我が家。


ここは住み慣れた尾無の集落。
青い鳥はいないが、白いアヒルならいる。








by hama-no-koya | 2016-10-22 08:25 | Comments(0)
2016年 10月 17日

田圃の稲刈り




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9月に入ると「コシヒカリ」を刈り、
次に「ヒトメボレ」を刈り、10月に入ると「ヒノヒカリ」を刈る。
稲には品種があり、それぞれ特徴がある。
零細農家には関係ないが、
JAや農業法人では大型機械のローテーションができる。

早く収穫できる作物が早稲で、遅く収穫する品種は奥手ともいう。
成熟の時期は品種によって変わる。
奥手のヒノヒカリは育成期間が長く、日照時間の短い山の田圃に適合する。
水稲の品種には地域性もあるが地区性もある。
今は店頭で産地と品種が選べる時代。

水と太陽が田舎の自然を育む。
ここはニッポンの田舎で、途上国の風景ではない。
目標は丈夫な稲とおいしい米。
品種改良のおかげ。


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「ヒノヒカリ」を刈る零細農の村人。
刈った稲はハゼ干しにして太陽と風で乾燥させる。
大型の機械が入れない棚田。
作業は人手が主になる。
歳はとっても取入れで忙しい田舎の秋。

刈り入れは急ぎの作業だが慌てない。
のんびりしているようでも経験から効率的な収穫。
何十年もやってきた地道な仕事。


田植から稲刈り。
棚田劇場の舞台も終わりが近い、幕でなくロケーション。
自作自演で観客のいない地道なロングラン。
毎年の演で配役は集落の人たち。
幕引は耕作者がする。




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遠くに海が見える田圃。
昔は周辺も田圃だったが今は草薮に変わった。
山の田圃を耕作する人は少ない。
圃場整備や集落営農や農業法人でそれに施策しているが、
少ない老兵の負け戦で背水の陣。

もしも戦いに負けても田圃は自然の野山に戻るだけ。
無理する体力より、やれる時までやる。
降参も生きる道筋。


田舎の主食は米。
山の田圃の米づくりは伝統で村の暮らし。
残された仕事が生きがい。






by hama-no-koya | 2016-10-17 03:39 | Comments(0)
2016年 10月 11日

旅するチョウ (アサギマダラとフジバカマ)




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漁村にピンクと白の花が咲く。
花の名前はフジバカマで、秋の七草のひとつ。
海を見下ろす国道191の斜面に咲く花。
小学校の分校跡にも咲いている。
誰かが植えた花。

花が咲くと通りすがりのチョウが飛来する。
数羽のチョウに感動する住民。
チョウの名前はアサギマダラ、この花の蜜が好きらしい。
旅の途中に羽を休め、お腹を満たす。
長旅が安心できるチョウ。



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チョウの休み場をつくるために誰か野に花を植えた。
フジバカマに集まるアサギマダラ。
花は餌場で、その場所が何処にあるかチョウには分かるらしい。
どこから来て、どこまで行くかは人には分からない。
休みながらも千キロを越える長旅もある。
くたびれた様子も無く美しい姿。
もしかして蔵王高原か能登半島で夏を過ごした帰り道?
ここは山口県の海辺。
想像で楽しむチョウの旅路。



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チョウが羽を休める美しい海辺の村。
生い立ちを知らなければ、気にもならないチョウだった。
フジバカマやアサギマダラは珍しくない生物。
昔からある里山の風景。

秋になるとどこからともなく飛んでくるチョウ。
秋の山野草が里山に咲くから。
花の苗を株分けして花を増やす人がいる。
夏場の草刈をする人。
田舎環境を管理するやさしい人。

里山に、秋の七草と旅をするチョウ。
うつくしい季節の出来事。

若い頃、アラスカで一休みしてヨーロッパに行ったことがある。
アンカレッジ空港で食べた冬のあたたかいうどん。
アサギマダラの飛行と重なる空の旅。
おじさん、おばさんの話。
 


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次の目的地に向けて羽ばたくチョウ。
うつくしいテイクオフ。






by hama-no-koya | 2016-10-11 05:07 | Comments(0)
2016年 10月 05日

古い秋の写真




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20年前頃に撮った田圃の写真。
零細だが稲作にはそれなりに自信があった。

過ぎてきた田舎話。
台風でヤマホウシが倒伏して稲刈りが遅れ発芽したので、
翌年は倒れにくい品種のヒノヒカリを栽培した。
対策は正解で、ヒノヒカリは作りやすい水稲で食味も保存もいい。
反面、茎が固く草丈が短いので正月の輪飾りには不向き。
今では漁村に土着した評判の品種。
田圃を耕し、米を出荷していた海辺の漁師。
稲わらで大量の縄を作り、大敷網の資材にもしていた。


我が家には、漁村の裏手に7反の棚田があったが今は無い。
地主の耕作放棄で雑木山や草薮に変わったから。
あの頃は両親がいたので手間のかかる棚田の耕作ができた。
農業と漁業の二足のワラジを履いていた暮らし。
今も家には漁船とトラクターがある。
忙しいだけで儲からない家計。

不便な田圃から年々徐々に休耕した。
妻と二人だけになってからは稲作をやめ、漁業だけにした。
田圃はなくても年中忙しい。



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この写真は古く、当家最後の稲作になった風景だと思える。
農作業を手伝った旅人が写した自分の満足。
あの頃は全てに若かった。

自分の生い立ちだが、漁村の大方の家が同じような雲行きになる。
後継者の有る無しでなく、棚田の耕作には限界がある。
生産者米価は下がる、イノシシが増えて田圃を無惨に荒らす。
半農半漁の零細農も機械に頼る。
海で儲けた金で、背に腹は変えられずトラクターを買う。
無駄ではなく、その場の暮らし。

それでも漁村から稲作が終ることは無いだろう。
漁村には何人かの辛抱人がいるから。
細く伝わる暮らしの風景。



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あの頃、フィルムカメラで撮った秋の夕暮れ。
変わらない風景だが時代は変わる。
なつかしいフィルム調。

日本の美しいむら。







by hama-no-koya | 2016-10-05 05:05 | Comments(0)
2016年 10月 01日

スラリーアイス




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港にある新しい奇妙な建物。
シャーベット状の氷、スラリーアイスをつくる施設。
大敷網漁でとれた魚の鮮度を極上に保つ氷。
上手に冷やせば魚は長持ちをする。
食べても美味しい。



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出港前にスラリーアイスをホースで船倉に流し込む。
ドロドロのミゾレ状の氷は冷たい。
製氷温度が下がり過ぎると冷えすぎて魚が凍ってしまう・・・
魚の鮮度保持に最適なアイスを製造する。
機械を設定するのは人。

新しい機械を使いこなすには時間がかかる。
四国の室戸から技術者がやってきて機械を微妙に調整した。
季節によって海水温・塩分濃度・気温が変わる。
機械は使い慣れると場所に馴染。
魚は冷やせば鮮度が保たれるが微妙な冷え具合いがある。
機械は自動調整だが最後は見た目や経験にたよる。

新しい機械は古い漁師には分からない。
新しい人間が漁師仲間にいるので問題が解決する。
コンピュータが多少使えないと漁業の技術革新はできない。
機械が指先やタッチパネルでスマートに動く時代。
魚を獲るだけでない漁師の世界。



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網から揚げた魚をスラリーの船倉に入れる。
活魚が低温で急激に麻痺して休眠状態のようになる。
氷浸けなので死後硬直するのが遅い。
スラリーアイスで活き〆した魚は鮮度が落ちにくい。
自分で魚を料理して食っているから分かる。
食感で見分ける魚の鮮度。

スラリーアイスの効果を一番に分かってほしいのは仲買人。
漁師の願いは、市場で魚が高く売れること。
生産者と消費者のちがい。
生きのいい魚が通常の価格で流通する。
スラリーアイスで冷やした魚が並ぶ「道の駅」の直売所。
比べてみれば、違いがわかる魚。



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ムツ類は鮮度が落ちやすい。
鮮度がいいので、今晩こいつを刺身で食べる。
同じノドグロでもアカムツは値が高いが、クロムツは極端に安い。
話題や人気で決まる魚の価格。

『たまらないフード・マイレージ』


晩酌が暮らしの糧。
居酒屋でなく自宅での一人呑み。
喜んでいいのか、わびしいのか分からない秋の夜。
音楽は「ニューヨーク・トリオ」。 
過ぎし夏の想いで。

秋雨の田舎暮らし。







by hama-no-koya | 2016-10-01 07:44 | Comments(0)