2016年 11月 15日

祭りの夜




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秋祭りの夜に神楽が奉納される神社の舞殿。
地道な舞で派手さない。
昔から伝わる岩戸神楽の流派。
いつまでも変わらないもの。
祭りの行事。



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楽士は太鼓が一つだけ。
単調なリズムを延々と打奏でる鳴りもの。
強くもあり、時には優しくも打つ。
奏者も舞い手も長年の呼吸。
絶妙の掛け合い。
役者不足で演目が減る。

後を継ぐ人はいない。


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桟敷があっても観客はいない。
閑散とした舞台公演。
にも関わらず感情が移入する舞い手。
昔から変わらない里神楽。
客がいなくても舞う。
暮らしを感じる郷土の芸能。



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幕間は楽屋で控える。
大きな囲炉裏はあるが火を焚いていない。
寒くないからだろう。
たき火は無くても消えない神楽の火。
奉納は感謝と祈念。

舞うたびに里の夜がふける。
先より今を舞う。

拍手の無い終わり。









# by hama-no-koya | 2016-11-15 22:26 | Comments(0)
2016年 11月 09日

秋の祭り




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漁村の氏神様である御山神社。
収穫が終ると秋の祭りがはじまる。
参道の左手は田んぼだが、右手は大きな草が生える。
昔は出店が並んだ場所。
祭りには国旗が揚がる地元の神社。
ここは田舎でも日本国。


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午後二時になると神社に人が集まる。
お祭りが始まるから。
いつもは人のいない神社の境内。
参集者の多くは老人。
着るものや髪の毛が若返る今は見た目にも若い。
昔から祭りには普段を着替える。
里暮らしの祭祀。



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神官の祝詞が始まると村人は頭を下げる。
古くから伝わる村人の祈り。
風に揺れる紅白の布。
祭りは神事だが里暮らしの希望。
幸せのかたち。




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神事が終ると餅まきが始まる。
場所は二カ所で年寄り子供枠と一般枠。
この日は舞殿の桟敷がシルバー・シートにかわる。
老人の多くは座り込んで餅を拾う。
餅をまく人は神社の関係者。
餅は皆に行き渡るよう均等にバラまかれる。
それでも拾う量の個人差はある。
餅まきはにぎわい。




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一般の餅まき場は競技的。
餅を多く拾うことが目的なので本気度がちがう。
日頃の仲間もこの場では敵。
どうやら男より女の方が熱中しやすい。
拾う身構えが本格的。



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餅まきが終ると来た道を温和に帰る人。
闘争心が満足感に変わる。

祭りが終わった。







# by hama-no-koya | 2016-11-09 05:14 | Comments(0)
2016年 11月 04日

秋が終る。




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稲を刈ると里の秋が終わる。
その頃から北西の季節風が吹き始める。
寒冷前線が通過するとき、南風が北風に変わり強風と雨雲が通る。
海は荒れ一目散に帰る小型船。
時には雷が鳴り、みぞれも降る冬のはしり。
秋と冬の間にある気まぐれな空。
田んぼと海の冬が近い。



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山の田んぼの稲は、陽と風で乾かす。
雨が降ると稲藁や籾が濡れて脱穀する日が遅れる。
大型機械なら稲刈りと同時に脱穀をするが零細はそうでない。
手間ひまがかる棚田の収穫。
美しい風景の裏側にある地道な里仕事。
毎年繰り返す同じ作業。




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乾燥した稲はワラジ色になる。
昔は稲ワラからワラジやムシロやナワを作った。
大敷網の資材として必要だった稲ワラ。
稲ワラで作った漁具の垣網やロープは半年しか持たない。
今は化繊の資材なので数年は使える。
稲作は漁業にとっも必要だった。
長雨が降ると稲ワラが枯腐り、縄にするともろくて使えない。
腐っても田んぼの堆肥するなら問題ない。
稲ワラで正月の飾りも作る。




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棚田の脱穀風景。
稲ワラに付いた穂を脱穀機でモミにして袋詰めする。
山の田は老夫婦が時間をかけて行う。
この後はモミの入った袋を山道を集落まで運び下ろす。
手間だが時代遅れの米づくりとは思えない。
秋深い暮らしのドキュメント。




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山の田んぼの収穫が終った。
棚田の耕作を継続することは私にはできない。
ブログに今の風景を残すだけ。
遠くに海が見える。


漠然だか誰かに伝えたい秋の気持ち。
地道な暮らしの原風景。





# by hama-no-koya | 2016-11-04 04:56 | Comments(0)
2016年 10月 30日

旅人が残したもの。



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小屋の壁に書かれた旅の思いで。
誰かが残したもの。
どれも楽しかった過去のもの。
旅人の置き土産。



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暑かった夏の日。
数年前に書かれた人の気持ち。
あの日には、大きなカジキマグロが獲れた。
レモン畑に行って蚊にさされた。
みんなで寿司を握った。
煮魚をきれいに美味しく食べた。
帰る日は大雨。



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先客がエベレストの絵を描いた。
次の誰かが、マッターホルンの絵を描いた。
世界は広いが想いは一つ。
表現と気持ちがおもしろい。


過ぎた日のできごと。
旅人の絵日記。









# by hama-no-koya | 2016-10-30 21:42 | Comments(0)
2016年 10月 22日

秋桜




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家の前に咲いたコスモス。
どうでもいい写真だがゴミ箱に捨てられないもの。
さみしいけれど海辺の小春日和。
価値の無いもの。

田舎で暮らすと季節を感じる。
気休めに凪がれる小野リサのボサノヴァ。
やわらかい午後の海辺。




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目的があってコスモスを植えたわけではない。
種をまいたら花が咲いた。
手入れもしないが、真夏の日照りにも枯れなかった。
暮らしを彩る控えめな花。
田舎に根付いた丈夫な帰化した植物。
花はやがて種に変わる。

一雨ごとに寒くなるこれから。
夏と冬の変わりめ。



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日が傾きかけた静かな漁村の道路。
歩く人はいない。
漁をしながら生まれた家で暮らしている。
街から遠く離れていても、
住めば我が家。


ここは住み慣れた尾無の集落。
青い鳥はいないが、白いアヒルならいる。








# by hama-no-koya | 2016-10-22 08:25 | Comments(0)