魚には名前がある。
それも学名とその土地で呼ばれる名がある。
シイラという魚がいるが、俺の地方ではマンサクともよぶ。
むかし昔、農家へ魚を売りに行った。
農家は刈り入れ時でとても忙しく、夜は魚でも食べるか・・・
その魚はなんという魚だ。
この魚は、シイラといってとても美味しい魚だ。
シイラ・・・・いらない。
農家でシイラとは、稲の籾が空のこと。
つまり農家にとってはいやな言葉である。
それからはシイラを売るときにはマンサクと呼ぶようになった。
豊年満作・・・魚も売れる。
そんな地域伝説がある。
里ではマンサク、浜ではシイラ、それが俺の地方。
しかし今頃とれる1mくらいのシイラは油がのってうまい。
できれば頭の丸いメスの魚がおすすめ。