俺の町では 昔から節分にクジラを食べる。
なぜ?そうなったか誰も知らない.
明治の時代にノルウェーから近代捕鯨を導入した人が生まれた阿武町。
沿岸捕鯨は1700年代頃から始まった? 網で追い込んで獲る漁法が主流だった。
鯨組みで捕獲していた 「クジラ一頭獲れば七浦にぎわう」その言葉が伝わる。
子供時代に、定置網で獲れたクジラを浜で解体する様子を見ていた。
冬場には、自宅で塩漬けにしたクジラの皮をダイコンやハクサイと煮て食べていた。
冬の蛋白源で、美味しいとかでなく極普通に食べていた。
明治32年、山口県の北浦から始まった捕鯨砲で撃つ 近海で鯨を獲る会社も
戦後は、下関が捕鯨基地となり大船団で南極の海までクジラを追いかけるようになった。
地元漁師の何人かは 南氷洋捕鯨の船に乗った。
その時代の学校給食は牛や豚でなく安価なクジラ肉だった。
今の捕鯨は調査目的で捕獲が規制されている。
国際世論は厳しいが 捕鯨は江戸時代から伝わる伝統漁業だと思う。
節分にクジラを食べるのは山口県の北浦だけ? それも食文化。
今でも俺は、節分の神棚に豆と鯨を供える。
昔は、鯨肉が高価で浦で獲れたクジラは、網元のもので全て売っていた。
せめて節分くらいは、漁師も貴重なクジラ肉を食べよう?
地方によってはイワシを食べるらしいが・・・
「節分と鯨」は先人たちの我が地域の習わし。