俺の愛車は11年目の軽トラック。
半分錆びた後の荷台ドアになぜか「パタゴニア」のステッカーが貼ってある。
街仲間が新車のお祝いにステッカーをくれたから。
なぜか俺は、ロカ岬やパタゴニアのような端っこに興味がある。
そこは・・・コツコツやってきたなにかの終わりや極めつけのような気がするから。
そんな遠くへ行っても・・・なにもないかも知れないがなんとなく良い場所の予感がする。
行きたくても行けないのか・・・追い詰められていないのか・・・行く気がないのか・・・?
気持ちだけで空回りをしているが・・・かたおもいの恋でもなんとなく楽しい。
なにかで読んだが、そこは地球を歩いていると行き着くところらしい。
田舎仲間の女子で十数年前にパタゴニアに行ったやつがいた。
みやげ話を聞いたが・・・そのころの俺はパタゴニアの価値観は無かった。
ノース・ヘースもパタゴニアもブルース・チャトウィンも聞いたことがなかったから。
彼女は・・・ウスアイアまで行って先が無いので南極大陸まで行ったとてもこころの裕福な人。
そのころは変わった人だと思ったが・・・今思えば身近な尊敬人。
俺はおそらく漁師としてなにも極めないでこのまま終わると思うが・・・・
いつも船の上で仕事をして・・・・いつか生まれたところで死ぬだろう。
ものを拡大して解釈をすれば・・・・
俺の暮らす阿武町がパタゴニアとおもえる・・・・?
パタゴニアがなにを意味するかわからないが・・・
居酒屋でのカウンターは考えずに妙に落ち着く端っこに座る。
旅も暮らしもどこかにている。