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浜の小屋

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2011年 12月 20日

年末らしくなってきた。

漁村の12月は10日を過ぎると忙しくなる。
田舎では、各種団体の年度末が昔から12月になるのでやることが毎日行事のようにある。
それも長年の慣例で、年片付けの作業終了には納会と忘年会を兼ねた慰労酒を飲む。
近頃は飲めない人と交通安全と予算で缶ビールやカップ酒の途中棄権可能飲み会も多くなった。
それを俺地方の田舎では、ローカル・テイク・アウト形式の飲み会と呼ぶ。

そんな田舎飲み会の昔は・・・
一升瓶やビール瓶が集落の自前料理を囲んで当たり前のように並んでいた。
飲めない人は、会が跳ねるまで酒飲みに付き合うことになり、女性は似非仲居の状態になる。
酒飲み目線かも知れないが、そんな飲み会もみんな楽しくやっていたよな気がする。
しかし近代になってからローカル・コミュニケーションのかたちが少し変わってきた。
自治会長や長老に将軍のような権力がなくなり集落の人民が公平になった。
つまり集落会議もなんとなく議会制民主主義のようになった。
行政が集落存続のために振興した自治会制度だが、合理と不合理がうまく噛みあいつつある。

今回の自治会役員による集落道草刈納会の打ち上げメニューは醤油ベースの「イノシシ鍋」だった。
イノシシはそこらの山で獲れたもの、野菜も集落で採れた物でフード・マイレージは昔から「0」マイル。
食材の仕入れ価格も「0」円でマイレージも買い物ポイントも貯まらない地元を丸出し料理。
飲みものは、第3の缶ビールと焼酎で集落コンパが盛り上がった。
近頃の集落婦人は務めを持っているので日頃は顔を会わす機会も少ないがこの場で取り返す。
話も弾み時の経つのを忘れるが宴会の終了はみんなで後片付けをして帰る。
会場は冷暖房・水洗トイレ・食品営業可能厨房の集落公民館を利用する。

街の人から観れば、田舎のオジサン・オバサン+オジイサン・オバアサンのコンパだが実に楽しい。
これから先、何年できるか分からないがいつまでも「長屋の花見」の世界でありたい・・・。
「タクアンが卵焼きに見える・・・」そんな集落飲み会だった。

津波で流された多くの集落を見た年だけに・・・尾無集落の幸せを現実としながら複雑に感じる。
争や災害がないだけでも幸せのかたち・・・。

by hama-no-koya | 2011-12-20 05:29 | Comments(0)


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