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浜の小屋

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2012年 01月 15日

どんどん焼き

昔から15日は「どんどん焼きの日」と言って正月飾りを焼く日。
漁に出る前に各自が飾りを持ち寄り浜で燃やす。
焚き火に餅を入れて焼くが黒焦げになる。その餅を食べると風邪をひかない。
予防接種の反対側にある昔話が漁村に今も細く伝わる。
正月飾りは火や水や便所など暮らしの神様たちに供えたもの。だから御利益がある。
健康への身近な祈願は時代をえらばない。

どんどん焼きが終わってから漁に出る。
毎年この時期になるとヤリイカが産卵にやってくる。
イカの群れが大敷網に入るが今年は遅れているのか、今のところは数箱しか獲れない。
最盛期は2月頃なので先のことは分からないが、ヤリイカは冬枯れに貴重な水揚げになる。
そんな感じで、多い少ないはあるが毎年のように冬海になるとヤリイカがやってくる。
それを漁師はあたりまえのように待つ。

ヤリイカのオスは体長40~50cmあるが、メスは20~30cmと小型である。
胴体が槍のような形をしているからヤリイカと呼ぶが、地元では細いのでヤセイカとも呼ぶ。
オスは刺し身で食べるが、メスは胴体にタマゴが無数に入っているのでそのまま煮て食べる。
俺の地方ではメスのヤリイカを子持ちイカとも呼び季節の食として感じている。

世の中には魚を食べない人はいるが、イカを食べない人はいないような気がする。
魚嫌いの原因に生臭さがある。イカにはそれが無いからだと思う?
魚種別家庭魚消費量の1位は長年イカだったが、最近はマグロ類かサケにその座を譲ることになった。
原因はイカの資源が減ったので流通量も落ちたのでは・・?
俺も街で暮らしていた頃は、食卓の魚と言えばマグロ類かサケかイカだった。
マグロは切るだけ、サケは焼くだけ、イカもそんな感じで調理が簡単で身近さが受けている。
これらの魚は冷凍保存でストックされ、季節感が無く年中食卓にあがる。

ヤリイカの活刺し身はあっさり系で繊細な味がする。
子持ちイカの煮付けは、冬場にしか食べられない季節の味がする。
今年の冬はそれを獲るだけでまだ食っていない。

by hama-no-koya | 2012-01-15 16:27 | Comments(0)


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