今年は、ブリが数匹しか獲れなかった。
ここ数十年の漁師歴史で、こんな事は始めてである。
南日本海では、毎年2月から4月にかけてブリ漁が最盛期なのに・・・。
相手が天然なので打つ手がない。
ヤリイカが終わり、ケンサキイカのシーズンになった。
今年の滑り出しは好調のような気がする。
何かが少ないと、何かが多くなる。昔の村人がそのように言っていた。
自然界だけでなく、今では各界に通用する言葉になった。
スミイカも獲れるが、モンコウイカでなく偽者のコウイカが多い。
こいつは、別名を「尻クサレ」とも言う。同体の先端にお尻のような穴があるから。
食べても硬いし、味も有るのか無いのか分からないようなイカ。
市場に出しても売れないこともある不人気のイカ。そのくせ黒墨は大量に吐く。
昨夜、焼いて食べたが硬かった。でも市販のおつまみイカより美味しい。
日本人はイカが大好き。変な形をした、魚ともなんとも言えないイカが・・・。
活きたイカはスマート・フォンの画面のように変化する。
指で触れると、赤くなったり、紋様が微妙変わったり、過敏に反応するからおもしろい。
スピード感とサクサク感は、ダントツでケンサキイカ。
そろそろアオリイカのシーズンになる。
5月頃が産卵で、多くの釣り人が大型のアオリイカを狙う。
竿で遠投げし、偽餌さを泳ぐようにラインを引くと偽餌さが小魚に見えイカが抱きつく。
餌さの尻尾は、トゲの針が束になって付いているのでイカが引っかかる。
問題は、産卵にやって来たイカを釣り師が殺していること。
オスとメスのカップリングの邪魔をして。メスイカの交尾は生涯一回と聞く?。
もしも、これが人の世界だったらとんでもない。
イカの世界だから許せることだろうが、子孫は残したい。
イカの資源は確実に減っている。