ヒラメ釣りに出たが、ヒラメは一匹も釣れなかった・・・。
お昼前に漁をあきらめる。
港の手前に汽車の橋がある。 いつもは気にもしないでスルーしている。
魚が釣れないせいか、なぜか橋が気になる。
日頃見えないものが見える。 気持ちにゆとりの帰り道。
いつもそばにある、とても優しくて美しい橋。
汽車の橋は、80歳に近いおばあちゃん。 年の差を感じない漁師の恋人。
人生で、いちばん長い関係かも。
古くから風景を人に置き換える。
その姿が似ているか、情景が似ているからだろう。
外輪山の峠から阿蘇の山並みを見ると、誰もが観音様の寝姿に見える場所がある。
その姿は、山なのに美しくてとても優しい。
縦長の尖った風景は気が締まり、横に長い風景は気持ちがやすらぐ。
想いが突然飛んだ。 これまで見てきた旅の風景感。
汽車の橋が、気持ちの恋人に想える人もいる。
秋だからこそ感じる旅のかたち。