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浜の小屋

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2013年 10月 21日

間伐材魚礁


間伐材魚礁_d0159062_4263372.jpg



岸壁に集められた 井桁で組んだ木と黒い砂袋。
こいつがなんだか 知る人は少ないだろう。
子供の遊具!? フィールドアスレチック・・・?
巨大迷路ではありません。
「道の駅・阿武」の海辺広場に置いてある なにこれ風景です。


間伐材の魚礁は、今から十数年前に阿武町の宇田郷で考案された。
井桁で組んだ間伐材に土のうの錘りを付けて海に沈める。
そこに魚が集まる それを漁師が釣ってとる。
木の魚礁が魚の集落になる。

人工魚礁の多くはコンクリートブロックや鉄骨で造られる。
宇田郷の漁師グループが間伐材を利用して 木製の魚礁を考案し設置た。
今から十数年前の漁村話。
それは漁師の想いと 手造りが始まりだった。
少ない予算で何回も改良して 今の型に落ち着いた。
やがて木の魚礁としての効果が認められ全国に波及した。
間伐材を利用するので 山側からの支援もあった。

開発段階で、漁師は多くの困難を乗り越えた。
林野・水産・海上保安所・町役場・漁協を説得した。
木材は水中での耐用年数が短いので公的な予算が出せない。
漁師は言った コンクリートの魚礁は海底で100年は持つだろうが・・
コンクリートは考え方では海底の異物に過ぎない。 
木材は天然だから環境に馴染み 適当な年数を経過すると自然消滅する。
間伐材の魚礁は海の環境に優しい・・・。
木で造ると浮いてくるので船の航行に危険では?
水深50〜70m設置するがと 海底では木材が水圧で浮力を失う。
一度沈めると浮いてこない 説得は言葉より実証した。
みんな夢中だった 魚の資源を増やそうと。


あれから年が過ぎた 今でも間伐材の魚礁で漁をする漁師。
そして今 間伐材の魚礁が阿武町に戻って来た。
あのときと同じ姿で。

by hama-no-koya | 2013-10-21 04:27 | Comments(0)


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