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浜の小屋

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2014年 11月 20日

竜宮祭り




毎年、11月10日は竜宮祭り。
漁師は漁を休み朝から祭りの準備をする。
祭りの目的は、海の恵みに感謝と魚の供養をすること。
昔から海で生きる漁師。

一説には、竜宮つまりは亀の祭りともいわれる。
漁村では亀は神様の使いだから。
昔から、網に入った亀は酒を飲まし、もてなし海に帰す。
死んで浜に打ち上げられた亀は丁重に埋める。
そしてお神酒を供える。
日本の海辺に竜宮伝説があるように。



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漁師は、竹を切り浜辺に特設の神棚を造る。
昔から変わることもない形式で、統領が何人もいる組立作業。
あれこれ言いながら立派な神棚ができあがる。
毎年のことなので図面は記憶。



竜宮祭り_d0159062_21161069.jpg


神棚が出来上がると神事が始まる。
棚には神酒、散米、野菜、昆布が供えられる。
それに乾燥した炙り干しのトビウオを神棚に献饌する。
魚の供養と竜宮なので生の魚は供えない。
毎年そうしてきたから。

祭は昔からの儀式で、神官の祝詞が厳正に流れる海辺。
漁師は海に向かって深々と頭を下げる。
そして感謝の気持ちを表す。



竜宮祭り_d0159062_21205697.jpg


神事が終わると公民館で直会が始まる。
肴は前日に大敷網でとれたブリの刺身と煮つけ。
昔は、暗くなるまで酒を飲んだが今はお昼過ぎで終わる飲み会。
大酒を飲まなくなった行儀のいい今の漁師。
それでも飲み話がはずむ。

後かたずけは若者の役目だったが近年は全員で行う。
若者がいないもあるが、漁師関係が縦から横になったから。
昔は長老がいて大船頭が祭りを仕切っていた。
竜宮祭りは当地の漁師祭り。



竜宮祭り_d0159062_21144007.jpg


祭りが終わると神棚を解体しないで海に納める。
お供え物とお神酒も海に供える。
竜宮様に届くように。
ささやかな海辺の行事だが今も伝わる。


昔から海と共に暮らす漁師の習わし。
穏やかな小春日和。
やがて厳しい冬が漁村にやって来る。



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by hama-no-koya | 2014-11-20 05:03 | Comments(0)


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