2015年 01月 29日
親父が死んで15年になる。 息子に残したものは古い家と小船と一台の自転車。 小船はさんざん使って廃棄処分した。 家と自転車は今も現役で残る。
他には、稲作をしていたので農機具の一式があった。 トラクターを残してみんな廃品回収に出した。 稲作の思い出、道具は鉄くず。 海辺の棚田は変わり果て今は草薮と化す。 それも映る暮らしの自然。
以前は、漁師をやりながら田圃を作っていた。 家は二足の草鞋を履いて働いた。 その頃は職業欄に半農半漁と苦肉で書いた。 忙しいだけで儲からない家業。 過ぎた青空だけが残る。
親父が残した白い自転車は今も現役。 旅人が気軽に使うから。 すり減ったタイヤはこれまで何回も交換した。 海辺にマッチする白い自転車。 なんでもない暮らしの道は漁村につながる。 海風と陽があたる午後の帰り道。 気ままにこぐペタル。
自転車は昔から人の力で動く身近な乗り物。 田舎も街もない用途。 人力の輪が世界中で転がる。
田舎の海辺道。 未来へこぎだす親父の残した自転車。 たまにパンクする。
by hama-no-koya
| 2015-01-29 05:09
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