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浜の小屋

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2015年 04月 17日

漁始め 1


大敷網の歴史は古い。
始まりは1600年代ともいわれる。
網は時代と共に歩き、より効率的に改良された。
大がかりで仕掛けも複雑な大敷網。
今も各地で続く網漁。

尾無集落に大敷網が導入されたのは昭和の初期ごろ。
村人たちが出資して大敷網漁を始めた。
一攫千金と安定収入をめざして。
今でも継続される漁法。



漁始め 1_d0159062_19524809.jpg


三十数戸の小さな漁村。
大漁と貧漁をくり返してきた村の大敷網漁。
大時化で網が大破したこともある。
今も村の暮らしを支える。


昔の大敷網漁は周年操業ができなかった。
資材が貧弱だったから。
稲わらを縄にしたロープや孟宗竹を束ねた浮子が漁具。
垣根となる長い道網はワラ縄。
冬の間に各家々が自前で縄をなった。
乗組員は多く20数人いて、3隻の船に分乗した。
その多くは若い人たち。

今は、ワイヤーロープや化学繊維の綱や網が使われる。
丈夫な資材のおかげで周年操業が可能になった。
年間の水揚量も増えたが、同時に必要経費も増えた。
船も大きくなり機械化された。
現在の乗組員は9名。
衰退傾向にある沿岸漁業の中で存続する大敷網漁。
海に囲まれた我が国の宿命。
直面する課題もある。


漁始め 1_d0159062_19545693.jpg


近頃は周年操業ができない。
魚の資源を保護するため、春先に一時期休漁する。
資源保護のために漁師が海を管理する。
冬の終わり頃、網を陸に揚げて網の修繕をする。
漁師は漁に出ないが陸で仕事をする。
その間の水揚げは無い。



漁始め 1_d0159062_19541258.jpg


今朝は今期の初めての漁。
水クラゲが多く漁はおもわしくなかった。
小アジやヒラマサなどの少ない魚。
この時期は海水温が低く大漁は望めない。
大敷網の操業は春夏秋冬で、獲れる魚の種類も多い。
良い日もあれば、悪い日もある。

魚もクラゲも同じ海の生物。
人と共生する魚。
海は誰のものでもない。


これから忙しくなる尾無の大敷網。
村に根付いた漁法。







by hama-no-koya | 2015-04-17 05:13 | Comments(2)
Commented by yuki at 2015-04-17 13:19 x
今期の大漁お祈りしています!
Commented by hama-no-koya at 2015-04-17 20:51
yukiさん了解!!


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