四万十川と太平洋は水でつながっていた。日本海とはちがい、海は広いな大きいなと単純に思う。中村から四万十の川添いを上流に向かう旅。
河口付近は川ではなく河。ここから四万十の旅が始まる。
源流からでなく、海から山へつながる逆のながれ。
下流域は平な帯状で川の流れがない。
四万十川が案内するので道に迷うことはない道中。
何処にでもありそうな川沿いの道だが、
いつもは海辺の道を通る旅人には新鮮な展開。
空の色と同じような水の色。
クレヨン色の風景。
四万十川には数えきれない沈下橋がある。
下流域は川幅が広く橋は長くなる。
沈下橋は道路が狭く基本は交互の一方通行である。
橋の途中に待避所があれば別だが先入車が優先のようだ?
工事中の道路にある信号機は付いていない。
橋の袂で先入した対向車を待つ。
渡り終えた対向車に挨拶をしてから橋に進入して渡る。
初対面だが、知らない人とは思えない対向車。
手すりやガードレールがない橋。
地元の生活橋を旅で渡る。
四万十へ来たとゆっくり感じる。
話は飛ぶ。
山口県の惣郷川の河口に架かる橋。
日本海に流れ着く川。
比べものにならない水量と川幅。
四万十川の雄大なスケールには勝てない。
海の色と空の色は四国と変わらないような気がする。
川と橋を無意識に比べる旅人。
海に流れる土地の川。
旅先の風景と地元の風景を重ねてみる。
勝ち負けではなく旅人の想。
そこにしかないもの。