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浜の小屋

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2015年 07月 30日

阿武町役場と豊島区役所




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庁舎は自治体の本丸でシンボルでもある。
阿武町役場も耐震補強され、内外ともに立派になった。
住民サービスや窓口対応も見直された。
三千数百人が暮らす田舎町。

耐震問題で、今の庁舎を補強か新建かの選択肢で、
阿武町はこれまでの建物を補強した。
その経緯は知らないが住民の関心はいまひとつ薄かった。
新築には膨大な費用や移転業務の問題もある。
デザインも基本設計も悪くない。
緑も石も庭もある。
先の見通しと予算の関係もあろうが、
古くなく補強して使える建物なので、納得できる選択だった。
ヨーロッパでは遺産や景観重視がよくあること。
オルセー美術館の前は駅舎だった。

建物が何を表現しているか?
タウンオフィスとは町の事務だけなのか、
町はどうあるべきなのか、だったらどうするのか・・・
資金をどう捻出するのか?
箱もの難題や課題はどこの自治体にもある。
コンペションそれとも入札?



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近年自治体の庁舎が建て変わる。
長岡市役所や東京の豊島区役所の建物は見応えがある。
建築家の選択で決まる自治体のありかた。
建物だけでなく暮らしや環境までもデザインする建築家。
みんなで考えたまちのかたち。

豊島区役所がおもしろい。
地下3階/地上49階で大きな樹木のような建物。
庁舎は1階から9階までだが432戸の共同住宅を併設している。
誰が考えたか専門家と豊島区の皆で考えたのだろう。
外観デザイン監修は長岡市役所や檮原町の庁舎と同じ建築家だった。
建物内の撮影はできなかったが必見の価値あり物件。
高層階なので建物全体が写真に入らない。
新しい建物には夢がある。



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10階にある豊島の森。
水辺もありごく自然で身近な公園風。
造られた自然だが開放的で安心で落ち着つける。
4・6・8階のグリーンテラスは階段でつながっている。
子供たちが遊び学べるようにと考えられた。
造られたものだが人工でなくて自然。
公園ともちがう緑化。



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ウッドデッキは元小学校の廃材を使ったときく。
なんともいえないここちの遊歩道。
庭木でなくて野山に生えている雑木風の身近なみどり。
区役所なのに都心の郊外。

大きな建物をヒューマンスケールに分解して街になじませる。
どこかに建築家の想いが書いてあった。
夢のある基本構想。
田舎の建築家や施主にも言えることだと思う。
町にある箱のかたち。



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旅の目的はいろいろある。
街の視察や勉強ではないが楽しめる公共の建物見学。
田舎と都会はまるで違うが基本は変わらない。
対決ではないが比較した。

地方で暮らす住民として感じた。
くらしに未来がほしい。







by hama-no-koya | 2015-07-30 04:32 | Comments(0)


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