港にある新しい奇妙な建物。
シャーベット状の氷、スラリーアイスをつくる施設。
大敷網漁でとれた魚の鮮度を極上に保つ氷。
上手に冷やせば魚は長持ちをする。
食べても美味しい。
出港前にスラリーアイスをホースで船倉に流し込む。
ドロドロのミゾレ状の氷は冷たい。
製氷温度が下がり過ぎると冷えすぎて魚が凍ってしまう・・・
魚の鮮度保持に最適なアイスを製造する。
機械を設定するのは人。
新しい機械を使いこなすには時間がかかる。
四国の室戸から技術者がやってきて機械を微妙に調整した。
季節によって海水温・塩分濃度・気温が変わる。
機械は使い慣れると場所に馴染。
魚は冷やせば鮮度が保たれるが微妙な冷え具合いがある。
機械は自動調整だが最後は見た目や経験にたよる。
新しい機械は古い漁師には分からない。
新しい人間が漁師仲間にいるので問題が解決する。
コンピュータが多少使えないと漁業の技術革新はできない。
機械が指先やタッチパネルでスマートに動く時代。
魚を獲るだけでない漁師の世界。
網から揚げた魚をスラリーの船倉に入れる。
活魚が低温で急激に麻痺して休眠状態のようになる。
氷浸けなので死後硬直するのが遅い。
スラリーアイスで活き〆した魚は鮮度が落ちにくい。
自分で魚を料理して食っているから分かる。
食感で見分ける魚の鮮度。
スラリーアイスの効果を一番に分かってほしいのは仲買人。
漁師の願いは、市場で魚が高く売れること。
生産者と消費者のちがい。
生きのいい魚が通常の価格で流通する。
スラリーアイスで冷やした魚が並ぶ「道の駅」の直売所。
比べてみれば、違いがわかる魚。
ムツ類は鮮度が落ちやすい。
鮮度がいいので、今晩こいつを刺身で食べる。
同じノドグロでもアカムツは値が高いが、クロムツは極端に安い。
話題や人気で決まる魚の価格。
『たまらないフード・マイレージ』
晩酌が暮らしの糧。
居酒屋でなく自宅での一人呑み。
喜んでいいのか、わびしいのか分からない秋の夜。
音楽は「ニューヨーク・トリオ」。
過ぎし夏の想いで。
秋雨の田舎暮らし。