漁村にピンクと白の花が咲く。
花の名前はフジバカマで、秋の七草のひとつ。
海を見下ろす国道191の斜面に咲く花。
小学校の分校跡にも咲いている。
誰かが植えた花。
花が咲くと通りすがりのチョウが飛来する。
数羽のチョウに感動する住民。
チョウの名前はアサギマダラ、この花の蜜が好きらしい。
旅の途中に羽を休め、お腹を満たす。
長旅が安心できるチョウ。
チョウの休み場をつくるために誰か野に花を植えた。
フジバカマに集まるアサギマダラ。
花は餌場で、その場所が何処にあるかチョウには分かるらしい。
どこから来て、どこまで行くかは人には分からない。
休みながらも千キロを越える長旅もある。
くたびれた様子も無く美しい姿。
もしかして蔵王高原か能登半島で夏を過ごした帰り道?
ここは山口県の海辺。
想像で楽しむチョウの旅路。
チョウが羽を休める美しい海辺の村。
生い立ちを知らなければ、気にもならないチョウだった。
フジバカマやアサギマダラは珍しくない生物。
昔からある里山の風景。
秋になるとどこからともなく飛んでくるチョウ。
秋の山野草が里山に咲くから。
花の苗を株分けして花を増やす人がいる。
夏場の草刈をする人。
田舎環境を管理するやさしい人。
里山に、秋の七草と旅をするチョウ。
うつくしい季節の出来事。
若い頃、アラスカで一休みしてヨーロッパに行ったことがある。
アンカレッジ空港で食べた冬のあたたかいうどん。
アサギマダラの飛行と重なる空の旅。
おじさん、おばさんの話。
次の目的地に向けて羽ばたくチョウ。
うつくしいテイクオフ。